神経質礼賛 1279.顔
来月は5年に1回の精神保健指定医の更新のための研修会に出なくてはいけない。その際に新しい指定医証のための顔写真を提出する必要があり、あわてて顔写真を撮ったのだが、いかにも老人顔に見えてガッカリである。しみやホクロが増え、皺も目立つのはともかく、一番印象を左右するのはやはり髪だろうと思う。額が後退して白髪が多くなっているとなるとどうしても年寄に見えてしまう。
80歳近い男性の患者さんが初診でそのまま入院になった。髪はふさふさ黒々としていて、かなり若そうに見えた。染めているのだろうと思った。ところが、病棟に入ってこの髪はカツラだったことが判明した。就寝時も入浴時もはずそうとしない。汚れていて不潔であるため、はずすようスタッフが説得するのにとても苦労したそうだ。現在カツラは付けていないので年齢相応に見える。
メディカル朝日の5月号に、大原健士郎教授の時代の浜松医大精神科にいたM先生の記事が4ページにわたって載っていた。歳は私と同じ。私と同様、早大理工学部の出身者である。ただし、現在は名前を改め、男性から女性になっていた。当時よりも髪を伸ばし、綺麗にお化粧して笑顔で写った写真を見たら、40歳位の女医さんに見える。現在、東京でクリニックを開き、性同一性障害(GID)の人々の治療にあたっておられるとのことである。
かつてアメリカの大統領リンカーンは「40歳を過ぎたら男は自分の顔に責任がある」と言ったそうである。また、評論家の大宅壮一は「男の顔は履歴書」という言葉を残している。そういえば、先日、東京都知事を辞任した人などは、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる「ねずみ男」そっくりのズルさ丸出しの風貌だったなあ、と思う。
私は髪は染めず、まさに「あるがまま」である。着るものも地味である。いつも妻から「もう少し何とかならないの?」と小言を言われている。ショボくて年寄っぽく見えるのは仕方がないが、中身までショボくならないように気をつけたい。
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わたくしの場合は全部白髪になり、体重が20キロ増えました。むこうから見苦しいのが来るな、と思ったら、ガラスに映った自分だったりして愕然とします

「おい鬼太郎、俺は人気者だ。これからビビビのねずみ男として売り出すからな」
ねずみ男はとても人気がありますので、M添とかいうゲスとは、雲泥でございます
投稿: たらふく | 2016年6月27日 (月) 16時40分
たらふく様
コメントいただきありがとうございます。
森田正馬先生も家の前の広場で立小便をして、巡査から「オイオイぢいさん。いけないぢゃないか」と叱られて気持ちが悪い思いをされたり、熱海に泊まった時には近所の子供たちから「おぢいさん」と呼ばれて少々気分を害されたようですが、「しかし、こんな事を、さほどの問題とせずに、無視してゐるだけの事である」と受け流しておられたようです。(森田正馬全集第4巻 p.143)見てくれはどうだろうと中身が肝心ということになりましょう。
そうですね。ねずみ男はセコイながらどこか憎めないところがありますが、前東京都知事は傲慢かつ品性卑しく、やはり政界永久追放が適しているかと思います。
投稿: 四分休符 | 2016年6月27日 (月) 22時43分
香菜子です。いつも参考にさせて頂いています。また、親身なアドバイスにも感謝しております。私もある程度以上の年齢の場合、その人の人格や品格が顔に出ると思います。誠実に真っ当に人生を歩んでこられた方はそういうお顔をしていますし、自分勝手で傍若無人に振る舞い、不正蓄財や不正受給をしてきたよう方は、傲慢で強欲、品性の卑しい顔になるのではないかと思います。香菜子
投稿: 香菜子 | 2016年6月28日 (火) 12時30分
香菜子 様
コメントいただきありがとうございます。
そうですね。長年、地道に農業をされていたような方のお顔は神々しく見えることがあります。そういういい顔になりたいですね。
投稿: 四分休符 | 2016年6月28日 (火) 21時05分