神経質礼賛 1272.麩饅頭
6月になって私が住んでいる地方も梅雨入りした。空はどんより曇り、時々弱い雨が降る。それでも7月の梅雨明け前に比べると暑さがない分過ごしやすい。夕方、駅のホームで列車を待っている時には風が少し冷たく感じ、まだ薄い上着は必要である。
昨日、仕事帰りに和菓子屋の前を通ったら、麩饅頭があったので、買って帰った。日持ちがせず、その日のうちに食べなくてはならないので、母のところに1個置いてきて、週末、義父のところへ行く妻にその分を渡した。保冷剤を追加して持って行ってもらうのが神経質らしいところである。今年になって初めて食べる麩饅頭だ。包んである笹の葉の香りもよい。冷たくもちっとした食感が何とも言えず、嬉しくなる。ここの麩饅頭は粒あんで生麩はヨモギ入りである。京都へ行った時に買って帰る有名な麩嘉の麩饅頭はこしあんで、生麩は青のり入りだったように思う。旧実家の近くの和菓子屋さんでは毎年6月になると、青のり・こしあんタイプとヨモギ・粒あんタイプと両方作っていた。どちらのタイプか一見してわかるように、笹の包み方を変えてあって神経質が行き届いていた。両方買って食べ比べると甲乙つけがたかった。残念ながら一昨年あたりから店主の体調が悪いのか、休業が増え、この頃店は閉まったままだ。麩饅頭はこの季節のささやかな愉しみである。和菓子屋さんの店頭でつい足が止まる。
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