神経質礼賛 1276.マウンティング
先日、TVの歴史番組で江戸時代初期の福島正則改易について取り上げていた。台風の水害のため損壊した広島城を修復した件を二代将軍徳川秀忠から武家諸法度に反すると咎められ、城の破却を命じられた。それに十分に従わなかった結果、関ヶ原の戦いの大功労者だった正則だが安芸・備後五十万石の所領を没収されてしまったのである。秀忠からの破却命令について、番組に出演していた脳科学者の中野信子さんは一種のマウンティングであると発言していた。確かにそういう見方もできるかもしれない。以前、「いじめはなくならない」(824話)の中で、ニワトリのつつき、順位制について書いた。マウンティングとは順位制の一種であり、サルの集団でよく観察されている。強者が弱者に乗っかって力を誇示し、弱者は恭順を示すことで、集団の中での個体の順位が定まり、無用な争いが避けられる仕組みである。
最近はマウンティング女子という言葉があるらしい。会話の中で、巧みに相手を貶めて自分の優位性を示すような女性を言うのだそうだ。そうした人は周りの人々に嫌な感情を惹起させる。男の世界だと、ハッキリしたパワーハラスメントが出るところ、女性の多い職場や学校やママ友など女性同士の集団だと、表面的には友好的であっても水面下で言葉のバトルが繰り広げられることもあるのだろう。
周囲からどう思われるかを気にしやすく控えめな神経質人間は、マウンティングをされる側になる可能性がある。どう対処したらいいのだろうか。まともに相手にしていては疲れてしまう。やはり「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」(89話)で受け流す。そして、沸き上がった嫌な感情は、「感情の法則」(442話)を思い出して、別の行動で解消していくのが得策のように思う。
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