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2016年7月15日 (金)

神経質礼賛 1285.てんかんは身体疾患?

 以前から書いているように、県から医療保護入院関係の書類が突き返されることが多くなっている。病名をWHO(世界保健機関)が決めたICD10という診断名に一字一句合致しない病名はけしからん、ということらしい。例えば「アルコール依存症」はダメで「アルコールの使用による精神および行動の障害(F10)」と書かなくてはいけない。しかし、患者さんたちに、あなたは「アルコールの使用による精神および行動の障害」ですよ、という医師はいないし、一般的にそんな病名が流布しているわけでもない。万事、こんな具合である。形式にこだわるお役人様の石頭、あるいはICD強迫症とでも言った方がよいのだろうか。最近は主病名を「てんかん」にしていた書類が槍玉に挙げられて突き返されるようになった。「てんかんは精神疾患ではなく身体疾患であるから主病名にしないこと」と書かれていた。事務担当者が「県に返送する郵便代も結構馬鹿にならないですよ」と悲鳴を上げている。

 確かにICDでは精神疾患はFコードなのに対して、てんかんは神経疾患としてGコード(G40)が付けられている。どうしてもFコードを付けるのならば形式的に「脳損傷、脳機能不全および身体疾患による他の精神障害(F06)」を主病名にして身体合併症を「てんかん」とすることになるが不自然である。てんかんの方々の大部分は脳神経外科や小児科で治療を受けている。しかし、精神科病院に入院している人はてんかんの発作そのものよりも精神症状が重篤ゆえ入院している場合が多いのであるから、てんかんは精神疾患ではない、と決め付けるのは現状無視である。それに、精神障害者保健福祉手帳の診断書や精神科の通院医療費を安くするための自立支援医療診断書にはてんかんの程度・最終発作年月日・発作頻度を書く欄があって、病名がてんかんでも明らかに通るはずで、同じ県に提出する書類なのにおかしな話である。

 考えれば考えるほど腹が立つ。おっと、これはいけない。血圧が上がってしまう。「感情の法則」(442)を思い起こす。とりあえずお役人様の仰せの通り訂正して再提出する。

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コメント

いや~先生、カッとくるのが自然ですよ
そんな非生産的なイチャモンをいっぱしの仕事なんかだと思っているんですよね
多くの公務員はなんの専門性もなく、ただ勝手に作ったルールを市民に押し付けて、間違い探しをするのがルーティーンなんです
死ねばいいと思いますね

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 ともするとローカル・ルールを作ってそれを押し付けて自己愛を満たす、というような困った人を見かけます。「公僕」として人のために地道に仕事をしている人もいるのですが・・・。

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