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2016年7月11日 (月)

神経質礼賛 1284.いつも「初診」の人

 勤務先の病院の外来は、新患の方は予約制になっている。それ以外に「初診」という札が挟まれたカルテが回って来る。これは、新患ではないけれども前回の診察から半年(神経症の場合3カ月)以上経った人のカルテであり、前回までのカルテ病名が消されていて新たに病名を付け直す必要がある。一旦病名が消されてまた同じ病名が付けられることを繰り返している人はたいてい神経症か軽うつの人である。症状が軽減してくると、薬は飲んだり飲まなかったりになり、やがて調子が悪い時だけ飲むようになる。だから通院間隔が長くなり、中には数年に一度「お守り」の薬が切れてしまったから来ました、と言う彗星のような人もいる。

 軽症の神経症の人が新患で来た時には、病気のうちに入らないから薬は必ずしも必要ないと説明し、本人が希望する時だけ少量処方している。漢方薬の抑肝散を処方することもある。そして、きちんと飲み続けなくて良い、なるべく飲み忘れて下さい、と言い足している。いつも「初診」の人たちにも同じようなことを言っている。病気探しでなく仕事・勉強・家事などの日常生活に目が向くようになれば自然とよくなるのだ。神経症は森田正馬先生が言われたように「病氣を治さうとする事を忘れた時に、病氣がなくなって居る」(白揚社:森田正馬全集第4巻 p.264)のである。

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