神経質礼賛 1299.ドクターイエロー
今週、ある日の正午過ぎ、三島駅から下り新幹線に乗ろうとしたら、案内板に回送電車の表示があった。ホームへの階段を上がったところには列車はない。しかし前の方を見たら、短い編成の列車が止まっていて、家族連れの人たちが大勢集まってきて、子どもたちと一緒に写真を撮っている。黄色い車体から線路や架線などを検査するドクターイエローだとわかった。たまに見かけたことはあるが、駅のホームに停車しているのを近くで見たのは初めてである。私も何となくうれしくなって写真を撮る。運行時刻は公表されておらず、調べてみると、月に3回主要駅に止まる「のぞみ」型ダイヤと2カ月に1回各駅停車の「こだま」型ダイヤがあるそうなので、今回見たのは「こだま」型ということになるだろう。作業服を着て計測機器を操作する技術者さんたちのイメージがあったので、最後尾のドア窓から上半身を出してホームを目視・確認している通常車両と同じ制服の車掌さんの姿は意外だった。新幹線の高い安全性はハイテク技術だけでなく、油断なくチェックを行う神経質によっても支えられているのである。
ドクターイエローを見ると幸運が訪れるという都市伝説のような話があるらしい。今のところ、新たに幸運らしきものは訪れてはいないように思える。もっとも、考えようによっては、今日もこうして生きていられるだけで幸運であり、日々是好日(50話)なのである。
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