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2016年10月17日 (月)

神経質礼賛 1315.病院運動会

 一昨日の土曜日はみごとな快晴。朝は8℃まで冷え込んだものの爽やかである。まだ雪のない富士山がクッキリ大きく見える。昼の気温は24℃まで上がった。病院の中庭では運動会が行われた。20年前、10年前と比べると、患者さんたちが高齢化して車イスを使う人が多くなっている。種目もそれに合わせて車イスの人でも楽しめるような工夫がなされている。例えば、輪投げ。シートの上に置かれた菓子や缶コーヒーに向かって輪を投げてゲットするというものだ。車イスの人でも楽しめる。もちろん玉入れとかごく短い距離のパン食い競争(ノドに詰まらせたら大変なのでパンを取るだけであり後でゆっくり食べる)などもある。手作り衣装の用意や応援の練習のために職員総出でかなり前から準備してきた。手作りの森田神輿も立派なものである。なるべくお金をかけず、後々の廃棄のことも考えなくてはならない、そして一番大切なのは危険のないようにしなくてはならないから、神経質の使いどころである。普段とは異なる患者さんたちの笑顔を見ることができた。そして、森田療法の患者さんにとっても職員にとっても「己の性(しょう)を尽くし 人の性を尽くし 物の性を尽くす」(350)の場となっていたように思う。皆、生き生きと動いていた。

昼のメニューはみんな大好きカレーライス。普段より出勤者数が多いので、それに合わせて職員用の保温鍋にはめいっぱいルーが入っていたが、「御飯とルーが不足したら連絡して下さい」と貼り紙があった。朝から準備やら車イス患者さんたちの移動に体力を使って食欲が増進していることに配慮してのことだろう。こういう気配りはありがたい。

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コメント

「カレーは飲み物」という店があるくらいで
噛まないでも飲み込めてしまうカレーは、カロリー補給には格好の食べ物ですね
ところで、面白い発見をしました。大原健士郎先生、なだいなださん、加賀乙彦さんは
高名な精神科医ですが、その他にもある共通点があります。
大原先生の愛弟子であられる四分先生はご存知でしょうか

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 なだいなだ氏・加賀乙彦氏とも小説家として有名でありともに1929年生まれ。大原先生はエッセイがお得意であり、1930年生まれと二人に近い点くらいしか思い当りません。大原先生はヘビースモーカーでしたが、お二人の方はどうだったかな?と。

つい先ほど知ったのですが、この3人の方はいずれも陸軍幼年学校の生徒だったんです。とても驚きました(ドイツ語の関口存男がそうだったので興味がありました)

たらふく様

 終戦の年に大原先生は15歳で東京の陸軍幼年学校に入学されましたが、夏には大空襲に遭い、西八王子の山中を逃げ回る一晩を過ごされました。そして、終戦を迎え、貨物列車に乗ってどうにか故郷に帰られたそうです。
 陸軍幼年学校は、当時の文武両道エリートたちの進学先でした。大原先生にしても、なだいなだ氏・加賀乙彦氏にしても、もう少し早く生まれていたら、出征されて戦場に斃れていたかもしれませんね。

大原先生が「戦争になれば神経質患者なんていなくなる」と仰ったインタビュー記事を読み、ずいぶん乱暴なことを言うもんだな、と反感を覚えておりました。
 しかし先生ご自身が空襲で死の恐怖を経験されていたと知り、印象が変わりました。
 森田療法には、理屈でいくらでもウジウジ「やらない訳」をつむぎ出す患者を叱り飛ばす、怖い先生が相当重要でございますね

たらふく様

 再び、戦場に兵士を送り、国民が空襲に逃げまどい、明日の命もわからないような国になってほしくありません。ただ、大原先生がよく言われたように、戦争ともなれば、自分や家族の命を守るのが精いっぱいです。対人恐怖だの強迫だのパニックだの言っているヒマはありませんから、神経症どころではなくなります。
 大原先生は「できるのにやらない」神経症者をよく叱っていましたし、担当医も一緒に叱られました。医者がおしゃべりするだけの「オトモダチ」では森田療法の効果は期待できません。現代家庭では父親の影が薄いのと同様、原法に濃厚だった治療者の父性は森田療法から消え失せ、治療のキレ味も鈍くなってしまった、と感じているのは私のような時代遅れの人間くらいでしょうね(笑)。

四分先生は森田先生の源流を守る立派な先生です。
状況をなめて、安心満足した神経質者には、
もう成長はありません

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