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2016年10月21日 (金)

神経質礼賛 1316.天高く馬肥ゆる秋

 空が澄んで高く感じられる季節になった。天高く馬肥ゆる秋、という言葉がピッタリだ。のどかな農村風景が思い浮かぶけれども、この言葉は中国の漢書にあって、秋の収穫の季節になるとそれを狙って匈奴(騎馬民族)が夏草を食べて元気になった馬に乗って攻めて来るおそれがあるので用心するように、というのが本来の意味だったそうである。もっとも、飽食の現代では「人肥ゆる秋」になりやすく、食べ過ぎてメタボにならないように用心しなくては、という警告にもなろうか。

 現在、県立看護学校の学生さんたちが病院に実習に来ている。一人ずつ担当の患者さん(多くは統合失調症の患者さん)が割り当てられているので、私が主治医をしている患者さんについていろいろな質問を受ける。その中に、「どうしてこの患者さんはこんなにお腹が出てるんですか?」という質問があった。病院食は1日2000kcal弱なので、それだけでは太らないはずだ。やはり、間食の菓子と甘い飲物でカロリーを摂りすぎるのがいけない。特に売店のアイスクリームは人気商品であり、寒くなっても暖房が入るからよく売れる。おやつにカップ麺というのもよろしくない。そして午前中は作業療法(といっても趣味的なものや卓球程度)に行くが、午後は寝て過ごす人が多い。この生活では内臓脂肪がたまってお腹が出てしまうのも当然である。学生さんには担当患者さんを散歩やゲームに誘ってくださいね、とお願いしている。普段から、私が「摂ったカロリーから使ったカロリーを引き算した分が体にたまってしまいますよ」と言って動くことを勧めても、スタッフがあれこれ生活指導していても、なかなか乗ってくれないが、若い学生さんだと応じてくれることが多い。

 私もあまり人のことは言えない。体重は年々減ってきているものの、内臓脂肪の増加があるようで体型が悪くなる一方である。栗蒸し羊羹がおいしい季節だけれども気を付けなくては。

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コメント

喫煙をやめない人間が後を絶たないように
肥満気味の方で糖尿病がどんなにいやな病気かを
きちんと認識している人は少ないでしょうね

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 ただちに痛いとか苦しいとかいう病気だと一生懸命に治そうとし、恐れて予防しようとしますけれど、そうでないと、人は目先の安楽に流されて、糖尿病や動脈硬化に関連した病気の恐ろしさを忘れがちですね。その点、心配性の神経質人間は、そうした病気にかかるリスクが低くなるかと思います。

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