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2016年11月28日 (月)

神経質礼賛 1330.畑野文夫著『森田療法の誕生』

 学会で自分の発表を終え、壇上から席に戻ってきたら、正知会(しょうちかい)会長の畑野文夫さん(1245)から出版されたばかりの御著書『森田療法の誕生』(三恵社)をいただいた。初版は平成281125日。ハードカバーA5版460ページにわたる大著であり、あとで重量を測ってみると672gもある。当初は別の出版社から出すおつもりだったが、普通だと上下2巻になり高価になってしまうからと担当者から難色を示されたという話を以前お聞きしていた。10年の歳月をかけ、森田先生の日記を丹念に読み込み、さらに関連文献を精緻に調べ上げた上での書であり、極めて完成度が高い。さすがは講談社で編集長として長年にわたり活躍され同社の役員を勤め上げられた畑野さんが神経質の限りを尽くされただけあって、すばらしいものに仕上がっている。例えば、森田先生が久亥夫人としょっちゅう夫婦喧嘩をして一時は籍を抜いた、という話は大原健士郎先生の本に載っているが、戸籍謄本を調べて日記と照合して、実は久亥さんの父親が亡くなり、男の兄弟がいない二人姉妹の長女だったため、先祖伝来の田畑・屋敷を守るため一時離婚して戸主となった可能性が高いことを明らかにしておられる。これまでに書かれた森田先生の伝記としては今から40年以上前に出版された慈恵医大教授・野村章恒先生による『森田正馬評伝』(白揚社)があるけれども、それをはるかに凌駕する名著であり、人間・森田正馬を知り、森田療法が編み出されていった過程を知るには、最高の書だと思う。末永く読み続けられて欲しいものである。

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コメント

森田正馬の生涯と業績、素晴らしい本が出ましたね。よく話題になる禅との関係などもこれで詳しく解明されるのかもしれません。
 こういう本はご本人が立派なだけでは世に出ず、敬愛の心に満ちた理解者の強烈な意志が必要です。
 刑事法に夭折した藤木英雄という天才がいましたが、亡くなった時に追悼本が出たものの、人物と業績をきちんと記した書物は未だに現れません。法学界には点取秀才は多いですが、どんぐりの背比べ的な嫉妬深さで、なかなか人材がいないようですshock

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 おっしゃるように、深く尊敬する理解者かつ篤志家が必要だと思います。水谷啓二さんも森田先生の伝記を雑誌に連載していて、いずれ本にしようとされていたようですが、残念ながら志半ばで急逝されて実現しなかったそうです。

和尚さんではないですかm(_ _)m?

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