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2017年1月27日 (金)

神経質礼賛 1349.セカンドオピニオンの誤解

 外来に70代後半の男性が初診でみえた。紹介状はない。フラツキが気になって、A病院の脳神経外科を受診し、CTを撮ってもらったが異常ないと言われた。納得できず、翌日、脳神経外科のBクリニックを受診してMRIを撮ってもらったところ、微小な脳梗塞はあるが特に問題はないと言われた。大して薬らしい薬も出ていない。今度は気になって眠れなくなり、神経内科のCクリニッを受診。MRIを撮ってもらい、デパスを処方された。その後またBクリニックにかかったが、まだ御不満とみえて神経科も標榜している当院を受診されたのだった。その間10日ばかり。どうしてそんなに医療機関を変えるのですか、と問うと、セカンドオピニオンがほしいからと言う。

 しかし、これではセカンドオピニオンとは言い難い。本来はある医療機関で治療を受けていて、他の見解があるのでは、ということで紹介状を書いてもらって別の専門家に意見を求めるものである。紹介状なしに次々に受診して同じような検査を受けるのは無駄であるし、この方のように後期高齢者では自己負担はさほどかからないにしても、健康保険組合の資金を無駄に食いつぶすことになる。セカンドオピニオンではなく、単なるドクターショッピングである。

 御本人に対しては、①いくつも医療機関を受診して同じような検査を受けるのは無駄である。同じ医療機関に通院して診断・治療を受けるのが良い。その上で、2、3か月通院しても良くならず他の医師のセカンドオピニオンを受けたいのであれば、紹介状を書いてもらって受診すること。②微小脳梗塞があるとすれば、脳血流の良し悪しで症状が変化しやすく、調子が良い時があったり悪い時があったりするので、一喜一憂しないこと。③デパスのように筋弛緩作用が強い睡眠薬・抗不安薬を服用すると転倒リスクが高くなる。主訴のフラツキを悪化させかねない。眠れないと言ってもどこかで眠っているのだから、そうした薬はなるべく飲まない方が良い。と話しておいた。薬なし、検査なし、カルテ表紙の病名欄は「神経症」。安上がりで実質的なセカンドオピニオンを提供したつもりである。

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