神経質礼賛 1351.黒はんぺん
冬の食べ物と言えば鍋料理、おでんを思い浮かべる方が多いことだろう。どこかで書いた気がするが、私が住んでいる街のおでんは全国区のおでんとかなり違いがあり、静岡おでんと呼ばれている。牛スジ肉でダシを取った黒色のスープで、具には必ず黒はんぺんが入る。そしてカツオブシの粉と青のりをかけて食べる。子供の頃、駄菓子屋にもおでんがあって、1本五円だったから、子供たちが小遣いの十円玉を握りしめて買いに行ったものだ。はんぺんは「D」字型の黒はんぺんが当たり前だと思っていたけれども、それは静岡県それも中部地区だけのことである。勤務先の病院食に黒はんぺんが出た記憶はない。献立にはんぺんと書かれているとふわふわした白い(普通の)はんぺんである。先日も「はんぺんピザ焼」というメニューがあり、やはり白いはんぺんだった。
黒はんぺんはイワシやアジを材料に作られる。おでん以外の食べ方としては、軽く火で炙って(あるいはオーブントースターで軽く焼いて)これまた特産品のワサビ漬けを付けて食べると大変おいしい。若い人だとマヨネーズを付けて食べたりする。そして私の好物・黒はんぺんフライは静岡の総菜売場には大抵置かれているし、酒場の肴の定番である。
よく製薬会社が医師向けの講演会ネット動画でEPAやDHAを含む多価不飽和脂肪酸製剤を宣伝している。脂肪肝の予防だけでなく、多くの成人病の予防効果がある。あえてそうした薬を飲まなくてもイワシやアジを主材料としている黒はんぺんを適度に食べればEPAやDHAがたっぷり摂れるのである。ここで適度にと書いたのは、体に良いからと大量に食べると尿酸値を上げる可能性があるからだ。とにかく黒はんぺんの健康効果をもっと売り込んで全国区の食品になってほしいものだ。カツサンド・ハムカツサンドのようにヘルシー黒はんぺんカツサンドがあってもよい。
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