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2017年4月17日 (月)

神経質礼賛 1376.散る桜

 今年は桜の開花が例年になく遅く、3日ほど前にようやく満開となった。今は風に吹かれて花びらが舞い散って道路を桜色に染め、城跡の堀には花筏(いかだ)が見られている。これもまた風情があってよい。それにしても、ようやく咲いたかと思えばもう散ってしまう。何ともあっけない。

「散る桜 残る桜も 散る桜」は良寛の辞世の句と伝えられている。太平洋戦争中に死地へと旅立つ特攻隊員の若者たちの心情を表現する歌ともされた。良寛さんの時代は天災や飢饉や疫病に見舞われていつも死と隣り合わせだったから、この句は当時の人々の心に沁みたことだろう。戦争中は兵士ばかりでなく国内の民間人も空襲のためにいつ命を落とすかわからなかった。幸いにして平和な現代では急に命を落とすリスクは低い。日常生活の中で諸行無常を実感することは少ないかもしれない。しかし、人間は生まれたからには必ず死んでいくことを運命づけられている。徒然草第155段「世に従はん人は」の後半にあるように「死は、前よりしも来らず、かねて後に迫れり」なのである。死を人一倍恐れる神経質人間としては、今こうして生きていられることに感謝しつつ、できることを地道に積み重ねていく他はない。症状探しをしたり、症状をなくすためのはからいごとをしたりして、症状を相手にしている暇などないのである。

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コメント

良寛さんは子供と遊ぶおじいさんで有名ですが、
どうして偉大な僧なのか知りませんでした。

しかし「散る桜 残る桜も 散る桜」、この一句のみを見ても、素晴らしい達人とふかく感じ入るのでございます。
 母を亡くした悲しみの中で、この句を思い出した時に、絶望を超えた静寂感を覚えたものでございます。
 だれの句か存じませんが、「おもてうら 見せて散りゆく 紅葉かな」。これも味わい深いと感じております

たらふく様

 良寛さんはまさに「純な心」の体現者と言えるかもしれませんね。「うらをみせ おもてをみせて 散るもみじ」もまた良寛さんの辞世の句なのだそうです。大いにあやかりたいものです。

うろ覚えで間違っていましたが「紅葉」も良寛さんの句とは驚きです。凄いでございます

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