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2017年7月 7日 (金)

神経質礼賛 1402.モンテッソーリ教育と森田療法

 中学2年にして将棋のプロ棋士となり、さらには29連勝という輝かしい最多連勝記録を樹立した藤井聡太四段に注目が集まっている。彼がモンテッソーリ教育を受けていたということでモンテッソーリ教育も急に脚光を浴びている。Google創設者やWikipedia創設者、さらにはamazon.com創立者といった現代のIT起業家たちもモンテッソーリ教育を受けていたという。

 以前、書いたように(392話)、森田正馬先生は、イタリア初の女医モンテッソーリ(1870-1952)による教育法を高く評価している。


 
 人間は自己の精神の活動を喜ぶ内部の自我が成長して大きくなるのを楽しみとする。何か或る一つの事を仕遂げ、或る一つの事を知り得れば、其成功又は知識其ものが其人にとって非常な喜びである。何も他人から之に対して賞を受ける必要はない。罰に於ても同様である。之が(モンテッソーリ)女史の教育上の根本主義である。

 女史の教育は、つまり自由による訓練であつて、只制限とする処は、自分の自由活動のために他人に迷惑をかける事、及び不行儀なる事を抑止するのみである。訓練に大切なることは、児童に独立心を阻害せぬ事であつて、多くの親や教師は、児童が独りで出来る事、又は出来ねばならぬ事を代わってしてやる風がある。 (白揚社:森田正馬全集 第1巻 p.600


 
 森田療法の作業も、当初は森田先生が材料を買ってきて豆選り・袋貼り・楊枝削りなどを夜業にあてがっていた時期もあったが、のちには患者さんたちの自主性に任せられるようになった。言われたことをただやるだけの「お使い根性」では、退院後にまた行き詰まる。周囲をよく観察し、やるべき仕事を見つけて自発的に行動していく。そうなれば退院後に学校や職場でも臨機応変に活動できて困ることはないし、そうなった時にはすでに症状もどこかに消えているのである。

 モンテッソーリ教育は受験秀才を作り出すのではなく、個性を生かしながら上手に社会で活躍できる子に育てていく、そんな教育法ではなかろうかと思う。森田療法といういわば大人の再教育の場にもモンテッソーリと多くの共通点があるように思う。

 残念なことに、現代の森田療法にはこの自主性を重んじるというあたりが欠落している。現代の医療制度の中で森田療法を行っていこうとすると様々な制約があり、行政から「指導」を受けてしまうことは何度か書いた通りである。いきおい、病棟スケジュールやルールが厳密に決められ、自主的に創意工夫して作業していくことが困難になってしまっている。また、治療者自身も「お使い根性」に陥っているのではないかという懸念もある。いかに患者さんの自発性を引き出していくか、治療者には創意工夫が求められている。

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