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2017年7月28日 (金)

神経質礼賛 1409.「違くて」増殖中

 勤務先の病院が移転した15年ほど前からだろうか。若い外来患者さんの話す言葉に「~と違くて」という表現を耳にするようになった。最初は強い違和感があった。どこの方言だろうかとも思った。今ではしょっちゅう聞くようになっている。どうやら方言ではなく若者言葉らしい。

「違う」は動詞であるから、違くて、という活用はありえない。「違って」(違いて)が正しい。「違くて」は文法上違っているのである。「違う」の古語「違ふ」だと、違はズ、違ひタリ、違ふトキ、違ヘド、というようにハ行の活用になるので現代語よりスッキリしてわかりやすい。誤用の原因としては、動詞とは言っても、実際には状態を示す言葉なので、形容詞に近い働きをすることが考えられる。それにしても、今の小学校の国語では動詞の活用を教えないのだろうか。いわゆる「ゆとり教育」や英語の導入で国語はすっかり軽視されてしまったのかもしれない。言葉は時代とともに変化していく。誤用もそれが過半数に浸透すれば、正しくなる。今では「ら抜き」言葉もすっかり定着してしまった。逆に「行けない」を「行けれない」と言う「れ入れ」言葉、「行かせて」を「行かさせて」とする「さ入れ」言葉も珍しくない。もしかすると将来は「違くて」が正しくて「違って」は古めかしい言い方とされてしまう可能性もありうる。それでも神経質人間はそうした現代表現に簡単には靡かないのである。

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