神経質礼賛 1420.会釈笑いも必要
現在、三島森田病院ホームページに掲載しているワンポイント森田第5回の「苦手な人・嫌いな人への対処法」で、森田療法的な解決法として、苦手な人・嫌な人に対しても挨拶をし、当たらず触らず会釈笑いしてお世辞の一つも言ってみる、ということを書いた。当ブログ360話が下敷きになっている。何でも白黒つける癖のある神経質人間は、嫌な人を徹底的に毛嫌いして挨拶もせず、無視して口もきかない、というようになりがちである。私も若い頃にはその傾向が強かったと反省している。笑いには精神的な効用がある(310話)。たとえ会釈笑いであっても営業スマイルであってもよいのである。森田正馬先生は最後の形外会で次のように語っておられる。
人に会った時、少々気分は悪くとも、独りムッツリしているわけにもいかないから、いやいやながらも笑顔をつくって話しているうちに、いつとはなしに、前の不快な気分も解けて来る事は、誰しも経験のある事でしょう。自分が不愉快だから笑わないというのは、人情に欠けているし、徹底した利己主義です。
(中略)
会釈笑いもせず・シカメ面ばかりしている人は、自分の心も、いつまでも解けてはこず、人からも嫌われるように、先生に対しても、「ちっともよくならない」とか意地張る患者は、自分もいつまでも、その不快の症状にとらわれて、その執着から離れる事ができず、医者からも愛想をつかされるようになる。これに反して、少しでもよくなった事を喜んで感謝するようになると、しだいに自分のよい方面ばかりに気がつくようになり、ますます症状が軽快して全治するようになるのである。(白揚社:森田正馬全集 第5巻p.766)
笑いや感謝の表出は神経症を治してくれる特効薬なのである。
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