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2017年8月11日 (金)

神経質礼賛 1413.ルービンシュタイン

 今週の月曜日から木曜日の夜、NHK-FMで往年の名ピアニストでショパン弾きとして名高いアルトゥール・ルービンシュタイン(1887-1982)の特集番組があった。ポーランド出身のユダヤ系ピアニストである。四晩のうち二晩は当直で全部は聴けなかったけれども、彼の大ファンだというピアニストの仲道郁代さんの解説もあり、大変感銘を受けた。80代の高齢になってもその力は衰えることなく、かえって進化しているのには驚く。ショパンの英雄ポロネーズのライブ録音を聴いて、とても感激した。こんな演奏を聴いたら誰しも立ち上がって「ブロボー!」と叫びたくなるだろう。

多くのピアニストは完全主義で神経質それも強迫的な傾向が強い。より完璧な演奏を目指して同じフレーズを何時間も練習したりする。名ピアニストにして作曲家のラフマニノフも神経質であり、うつ状態に陥ったことがあった(307話)。「ピアノの詩人」ショパンも神経質だったと考えられる(549)。その点、ルービンシュタインは異質だったとされる。2歳にして姉のピアノレッスンを聞いて、その曲を完璧に演奏したという。4歳の時の演奏を聴いた名ヴァイオリストのヨアヒムが感銘を受けて、偉大な音楽家になるだろうと予言した。そして7歳にしてピアニストとしてデビューした超大天才である。抜群の音感に加えて写真で撮ったような暗譜能力があり、若い頃、練習は大嫌いだったという。しかし、二十歳頃には行き詰って自殺を図ったこともあり、中年になって結婚してからは、このままではいけない、妻や子のためにもいい演奏をしなくては、と長時間の練習に打ち込むようになったあたりをみると、やはり強迫的なピアニスト気質であり、少なからず神経質傾向を持った人だったのだろうと思う。

毎年、国際的なピアノコンクールでは神童・大天才と呼ばれる若手ピアニストが次々と現れるが、皆が音楽史に名を残すほどの大ピアニストになれるわけではない。やはり強迫的で完璧主義の神経質を生かした人にだけ、ピアノの女神が微笑むのだろう。

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コメント

クラシック音楽に関しては、私はふと聴きたいと思ったときに聴くぐらいなのですが、ルービンシュタインは一枚だけ持っています。先生は、『月光』の一番好きなピアニストは誰ですか。

身体のちょっとした不調が気になるときのためのお話もあると思うのですが、番号を教えて頂けませんか。行動面では進歩ありだと思っているのですが、内心はいろいろ考えまくります。

長年の読者 様

 この記事を書いてしばらくしてからルービンシュタインのショパン全集10枚組を購入して、たまに聴いています。実はベートーヴェンのピアノソナタのCDは持っていません。『月光』も『悲愴』も超名曲だとは思いますが、CMやTV番組のBGMに使われ過ぎていてあまり聴こうとしないのが原因でしょうか。ですから、どのピアニストの演奏が好きだと言えるレベルではありません。

 身体の不調が過剰に気になる話は、幻の429話です。「たけしの本当は怖い家庭の医学」を見て自分もその病気ではないか、と心配する神経症の人の話でした。いろいろな病気を心配する人であり、病歴から言って、番組で取り上げられたその病気である可能性はまずないので、気にはなっても休まずに仕事をするようにとアドバイスしたという話です。ところが、その病気の治療を受けた人やそのお友達数名から、「検査もせずに診断が付くのか」「今までその病気の診断をしたことがあるか」(検査をやっているのはごく限られた病院の限られた医師だけであり、検査料もかなりかかるので、よほど疑いが強くなければ紹介しないのが現実なのですが)など抗議のメールがあってブログが「炎上」しかけたため、お詫びをした上で429話は削除しました。

 以来、この種の記事は書いていませんが、疾病恐怖についてはどこかに書いていると思います。当ブログのジャングル(笑)の中を歩いてみて下さい。

  

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