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2017年9月18日 (月)

神経質礼賛 1426.優性遺伝・劣性遺伝の呼称変更

 日本遺伝学会が従来の優性遺伝・劣性遺伝という呼称を顕性遺伝・潜性遺伝に変更したという新聞記事を読んだ。また、「変異」を「多様性」と言い換えるそうである。学校で学ぶメンデルの遺伝学ではエンドウの例を挙げていて、種子が緑色と黄色、シワのないものとあるものを交配すると、それぞれ3:1の比で現れるというあたりは覚えていらっしゃる方も多いだろう。形質として現われやすい方を優性、現われにくい方を劣性と呼んでいる。しかし、ヒトの遺伝について優性とか劣性とか言ってしまうと、あたかも優れた人、劣った人というような誤った印象を与えてしまう。

 小学校3・4年の時の同級生に血友病の子がいた。体育の授業の時に転んで膝をすりむいたり、鼻血が出たりすると、なかなか血が止まりにくかった。時々学校を休むこともあったから、学校から配布されるプリントなどを家に届けてあげた。学校の先生から彼は血友病という血が止まりにくい病気だと聞いていた。事典を見るとイギリスのヴィクトリア女王の家系の例とともに、伴性劣性遺伝について書かれていたけれども、「劣性」という言葉がとても嫌な感じがした覚えがある。一方、医学部に入って学んだ数多くの病気の中には優性遺伝するものもある。名称は「優性」でも、子孫に影響が大きいので、当事者にとっては大変深刻である。

 優性・劣性は直訳から出てきた言葉なのだろうが、こと病気に関しては、当事者や関係者の身になって考えたら、思いやりに欠けた不適切な言葉である。その点、顕性・潜性という言葉は優性・劣性という言葉以上に実態がよくわかるし、誤ったイメージを与えにくい。今回の呼称変更は「ものそのもの」になった良いことだと思う。


 呼称変更という点では、神経症の対人恐怖や赤面恐怖の人の多くが該当する
DSM(アメリカ精神医学会の診断基準)やICDWHOの診断基準)の病名social anxiety disorderの訳が社会不安障害→社交不安障害→社交不安症とコロコロ変更されるのはどうかと思う。著名な教授の講演でもスライドは社交不安症になっているのに社会不安障害と口演していることがある。この変更は「ものそのもの」になっておらず、混乱を招くだけである。いつもICD病名と一字一句同じ病名で自立支援医療や障がい手帳の診断書を書くことを県のお役人様から要求されているので、そろそろ「社会不安障害」と書いた書類が付き返されるようになるのかなあ、と内心思うこの頃である。

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