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2017年9月25日 (月)

神経質礼賛 1429.「井伊直虎から直政へ」展

 現在、静岡県立美術館では「戦国!井伊直虎から直政へ」と題する企画展が開催されている。秋分の日に見に行ってきた。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、美術館前駅から歩いて坂を上って行っても、さほど汗ばむこともない。キンモクセイの香りが心地よい。県立美術館の企画展はスタンプカード5回分で1回無料入場できる。年1-2回は来ているのだが、カードをなくしてしまったり、うっかり持ってくるのを忘れたりしてしまうことがある。神経質のくせにこれではいけない。今回は5回分のスタンプがたまったカードで無料入場できた。

 井伊直虎と直政については以前書いている(13041305)。今年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で取り上げられ、視聴率で苦戦しがちな女性が主人公のドラマとしては善戦しているようだ。浜松市では「出世大名家康くん」に次いで「出世法師直虎ちゃん」というゆるキャラを繰り出して観光PRに余念がない。今回、直虎の書いた文書が展示されていた。直虎に関しては極めて史料が少なく、女性だったことを示す証拠もない。大河ドラマの放送が始まってから、男性説も言われるようになっている。もっとも、史実がハッキリしない点が多いだけに、自由に面白くドラマが作れるメリットもあるだろう。関ヶ原の戦の際に使われたという赤地に金で「井」の字をかたどった旗や直政以来の赤備と呼ばれる赤を基調とした甲冑は見ごたえがあった。

 会場には井伊直政とともに徳川四天王と呼ばれた酒井忠次・榊原康政・本多忠勝が使用した甲冑や武具なども展示されていた。家康の第一の功臣であり、家康より15歳年上の兄貴分だった酒井忠次の軍配はとても面白かった。形は相撲の行司が持つような普通の形ながら、先には磁石が付いていて、レンズも2個付いている。夜襲や奇襲を得意とした忠次にとって、磁石は山の中を進軍する時に役立ったのだろう。晩年に秀吉の招きで京に隠居した時には失明寸前だったというから、おそらく白内障や強い老眼があって、老眼鏡機能のある軍配でもあったのかな、と勝手に想像した。また、めざましい武功を上げながら、かすり傷一つも負ったことがなかった本多忠勝は蜻蛉切と呼ばれる大槍の名手だった。その槍の先端部分が展示されていたが、これがとても大きい。そして「八幡大菩薩」の文字が刻まれている。遠く離れた敵にもこの槍が放つ光が見えたことだろう。小牧・長久手の戦の際、秀吉の大軍の前に一人立ちはだかり、馬を川に入れて悠然と口を洗わせたため、秀吉が攻撃をためらった、という話も理解できる。メインでない展示物にもいろいろと面白味があるものだ。

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