神経質礼賛 1439.フラリーマン
当直の次の朝、職員食堂で朝食をとりながらNHKニュースを見ていたら、けさのクローズアップということで「フラリーマン」の話をやっていた。仕事が終わってもすぐには家に帰らず喫茶店や家電量販店や書店などで時間を潰すサラリーマンのことを言うらしい。企業側からすれば残業代を減らして利益を高めたい。国からすれば「働き方改革」と称して働き過ぎをなくしている素振りを見せたい。そんな流れもあって会社から追い出された彷徨えるフラリーマンが増加しているのだそうだ。それに対しては特に子育て中の女性たちから「許せない」「いらいらする」と怒りの声が紹介されていた。休む間もなく次から次へ子育てと家事に追われている妻の立場から見れば、敵前逃亡同然の行為で許せないということになるだろう。一方で、早く帰ってこられても家事の邪魔になるという意見もあるようだ。これは、子供が大きくなっている、あるいはすでに進学や就職で出て行った、というような家庭の主婦の意見ではなかろうか。
私の場合は、仕事が終わったらとにかく家に帰って重い気分から離れてほっとしたい、という心理が働いて、あまり寄り道はしない。週に1回、牛乳特売日にスーパーに寄って牛乳をまとめ買いして帰る。たまに、気になる本や雑誌があると、書店に寄って15分くらい帰りが遅くなる程度である。もう子供たちも家を出ているから、妻の方がフラリーウーマンしている。買物に行った街であっちに引っ掛かりこっちに引っ掛かりして私よりも帰宅が遅くなることがある。それから夕食の支度をおもむろに始めるので、私は邪魔にならないように自室に籠っているのである。
番組の中では、毎晩残業と称して寄り道して帰っていたフラリーマン氏が妻と話し合い、週1回、夫婦で同じ所へ行くようになったということだ。その場所とは大人のピアノ教室。夫婦で連弾もする。そしてその日の夕食は惣菜で済ます。子育て中ではこんなにうまくはいかないかもしれない。しかし、残業だと偽ってフラリーマンしていたのでは夫婦の信頼関係によろしくない。アニメ「さざえさん」でもマスオさんの同僚アナゴさんは残業と称して麻雀で帰宅が遅く、奥さんから疑われるというような話があった。嘘をついてもバレるものである。フラリーマンは今始まったものでもない。使える時間が増えた分、家事を分担して早く済ませてたまには夫婦で映画を見に行くなんていうのもいいのではないだろうか。また、週1回曜日を決めて公認のフラリーマンになるという方法もあるのではないか。「かくあるべし」ではなく、夫婦で話し合って工夫してお互いにプラスになる方法を編み出していくのがよいだろう。
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