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2017年10月 6日 (金)

神経質礼賛 1432.ジャケットのベンツ

 朝、駅の上りエスカレータで私の前にいた男性が突然、一段後に下りてきた。間を二段空けていたから実害はなかったけれどもちょっとヒヤッとした。30代位の人でスマホに夢中になっていたのだろうか。後姿を見ると、ジャケットの後ろのベンツの「しつけ糸」が付いたままである。よほどウッカリ者なのだろうと可笑しくなる。電車に乗ってから、ハテ、よく言われるベンツってどういう意味なのだろうかと気になり始める。まさか、車のベンツと関係ないだろうなあ、などとどうでもよい考えが浮かぶ。知りたがりの神経質ゆえ調べてみる。

 ジャケットの裾の後ろに切れ込みが入っているとセンターベンツ、両側に入っているとサイドベンツと呼ばれている。vent(s)はフランス語で風(通気)を意味するのだそうで、元は、乗馬服から始まったらしい。切れ込みが入ることで、乗馬時に裾が突っ張らず見た目もきれいになる。剣を抜きやすくするためという説もある。日本の武将の鎧の腰回りも、草摺(くさずり)という部分が前後左右の4パーツからできていて、前後の最下部はさらに二つに分かれていて、馬に乗った時、降りた時、どちらでもフィットするようにできている。これもベンツなんだと妙に感心する。

 ventを英和辞典で引いてみると、①(気体・液体などの)穴、通気孔 ②(感情・精力などの)はけ口などとあり、さらに動詞としては、(怒りなど)を人や動物に向けて爆発させる・発散させる・ぶちまける、といった意味が書かれている。通気を良くしておくことはいいが、怒りを人にぶつけたり怒りにまかせて物に当たったりするのはよろしくない。ますます怒りの連鎖を招きかねないし、後で自分にはね返ってくることになる。森田先生が言われた感情の法則(442話・拙著p.187)にあるように、時間が経てば嫌な感情は自然に薄れていく。感情はそのままにして、目の前のやるべきことをやっていれば、流れゆく雲のように、気が付いたら見えなくなっているものだ。

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