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2017年12月29日 (金)

神経質礼賛 1460.神経質は偉いもんだよ

 森田正馬先生の治療を受けて全快した後も先生の教えを受け続け形外会幹事を務めた人の中に井上常七(1909-2010)氏がいる。森田先生がある患者さんの親族に泣きつかれて購入した森田旅館の支配人を任され、のちに熱海呉竹学園の教員となった。百歳を超える御長寿で、亡くなる少し前まで講演されたり、「生活の発見」誌に寄稿されたりして、森田療法の生き証人と呼ばれていた人である。その井上氏が形外会で次のように述べた記録がある。

昔は私は他人から神経質と見られるのを恐れて、神経質の本を包みの内に隠していましたが、今では神経質は偉いという事を吹聴するようになりました。この頃は学校でも神経質という事が大分流行するようになりました。先日も学校で、雨が降り出した時に、ある男は傘の用意をしていまして、神経質は偉いもんだよといっていたような事があります。(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.97


 
 自分が神経質である、と公言することは躊躇する人が多いだろうと思う。かくいう私も神経質であることを公言するようになったのは40代になってからである。万事につけ心配性の神経質はワーストケースを考えていろいろと準備する。そして失敗や事故を未然に防ぐことができるのである。これは優れた資質であり、偉いものだよ、と言ってよいだろう。たまにネット通販などで、商品へのクレームを恐れてか、「神経質な方の注文は御遠慮ください」などと書いてあるのを見かけることがあるが、神経質は善良であって金払いも間違いない。不当なクレームは、神経質が足りない人間のやることである。全く馬鹿げた但し書きであり、「神経質が足りない方の注文は御遠慮ください」と書くのが本当だと思う。


 
 今年も当ブログをお読みいただきありがとうございました。神経質礼賛の旗印を掲げてまもなく12年目になります。まだ続きそうです。(四分休符)

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コメント

人から神経質と言われる事はめったにないですが、森田療法の先生から「貴方は神経質です」とお墨付きをいただいたことがあります。

これも神経質のためなのでしょう。仕事のことで、しばしば職場の同僚に「・・・をすると、・・・が起きるのではないか?」と忠告してしまいます。その忠告が当たることはまれで、ほとんどの場合は的外れになります。そのため、しばしば、「余計なことを言ってしまった」と恥ずかしく思うことになります。

TM 様

 「・・・すると、・・・が起きるのではないか」と心配するのは神経質の美点であり、その心配を全くしなければ、大失敗や大事故を起こすリスクが高くなります。忠告が当たることはまれであっても、忠告を耳にした人がどこかで意識して悪い事態を回避できていた、ということもありましょう。「老婆心ながら申し上げる」と警鐘を鳴らしてくれる人は職場に一人は必要です。

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