神経質礼賛 1454.河童
週末に日帰りで京都に行ってきた。朝、京都駅で奈良線に乗り換える。一駅先の東福寺で降りて、泉涌寺の塔頭の一つ即成院へと向かう。冷たい朝の空気の中、坂を登っていると、子供を乗せて幼稚園へと向かう自転車が後ろから次々とやってきては追い抜いて行く。全く母親は強い。境内に入り、本堂に上がり、受付らしき所で、呼んでみるが、なかなかお寺の人は現れない。そのうち、作務衣の女性が庭の方からやってきた。狸に荒らされたところを片付けてきたそうだ。薄暗い内陣に案内され、雅楽のBGMが流れる中、定朝作の阿弥陀如来と二十五菩薩に対面した。阿弥陀如来像は高さが5.5mもあり、近くで見上げると大変迫力がある。菩薩像はそれぞれいろいろな楽器を持っていて、「仏像のオーケストラ」とも呼ばれている。平等院に比べると、こちらは少数精鋭の室内管弦楽団のようだ。朝一番に拝観したおかげで、ゆっくり観ることができた。平家物語に登場する那須与一の供養塔は修復中のため見られなかった。
次に京阪電車で深草駅まで行き、また山の方へ登り、石峰寺へ向かった。江戸時代の絵師、伊藤若冲は晩年この地に庵を結び、その下絵を元に五百羅漢の石仏が作られたそうである。釈迦誕生から、涅槃、さらには賽の河原まで表現されている。いろいろな表情があって面白い。情けない顔、ユーモラスな顔もあって見飽きない。写真撮影・スケッチ禁止なのは残念だ。
さらに京阪電車で伏見桃山へ行く。アーケード商店街を進み、左へ曲がって坂本龍馬ゆかりの寺田屋を目指すが、その前に黄桜のカッパカントリーに立ち寄る。黄桜記念館には懐かしいCMが流れ、清水昆さん・小島功さんの原画が展示されており、河童に関する展示もあった。河童はいたずら者だけれど、意外にも人間に騙されやすい、律儀で助けてくれた人間に魚を贈ったり薬の作り方を教えてくれたりする、というあたりは少し神経質なのかなあ、と余計なことを考えてしまう。「♪カッパッパー、ルンパッパー」というCMソングに送られて売店で日本酒の試飲。「♪ちょーといい気持ち」でついお土産の酒「伏見の龍馬」と「東山魯山人」を買ってしまい、一日中持ち歩くハメになってしまうのだった。
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