神経質礼賛 1482.卒業シーズン
土曜日、半日で仕事を終えて帰宅する途中、卒業式を終えて駅の方に向かう高校生の一群とすれ違う。みな、卒業証書が入ったケースと花を手にして明るく話しながら歩いている。進学や就職で、これからの新生活への夢を膨らませているのだろう。
私くらいの世代は今月末で定年退職を迎える人も少なくない。これもまた卒業である。ここ半年ほど、節目の年ということで、中学、高校、最初の大学の同窓会が続いた。公務員や教員だと退職後の受け皿となる機関があったり、同じ職場で嘱託やパートで仕事を続けたりする場合も多いようだ。一般企業だとそうはいかない。企業側で事前に退職後の生活設計の相談に乗ってくれるらしいが、なかなか思うような再就職先がみつからなくて、とりあえず失業保険をもらいながらのんびり探してみるよ、という声も聞く。「その点、お前はいいよなあ」と言われてしまう。民間病院の勤務医には退職金がない場合もあるという事実はあまり知られていない。ともあれ、働けるうちは何とか働き続けたい。そして、仕事から引退して卒業となっても、森田は卒業にはならない。生涯森田である。かつて、師の大原健士郎先生から受けた森田療法に関する御指導はたった一言「お前が患者さんのお手本になるように行動していくんだよ」。まだまだ神経質のお手本とはお世辞にも言えない。永遠に修行中の小僧である。
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