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2018年4月23日 (月)

神経質礼賛 1498.今日の事は今日なせ

 さほど仕事のスケジュールが入っていない日でも、入院患者さんの急変でバタバタしたり、患者さんの家族や関係者から面談を求められたりすることがある。さらには突然に他の病院や保健所からの依頼で急性期の患者さんの入院依頼を受けることがあって、そうなると診察と家族・関係者との面談から入院関係書類の作成まで2、3時間かかってしまうのが常である。全く油断はできない。普段から担当患者さんに関する種々の診断書や意見書の類の書類作成の仕事が次々と発生しているから、面倒だなあと思っても先送りせずに極力その日のうちに書くようにしている。そして、いずれ書かなくてはならないとわかっているものはパソコンで下書きを作っておくこともある。

 森田正馬先生は次のように言っておられる。


 
 僕も若いころ、呉先生の下で薫陶されましたが、先生は常によく「今日の事は今日なせ」という事をいわれましたから、僕もそれを守って、随分夜のふけるまで勉強した事もあります。そのほか僕などは呉先生によって、さまざまの修養の基礎となる事を体験する事ができました。(白揚社:森田正馬全集 第5巻p.684-685)


 
 呉先生とは日本の精神医学の創始者と呼ばれている呉秀三(1865-1932)東京帝大医学部教授のことで、森田先生は呉教授の命を受けて、巣鴨病院(現在の都立松沢病院)で作業療法を推進していった。それはのちの森田療法の土台となっている。また、森田先生が50歳にして医学博士号を取得できたのも、呉教授の非常に強力な推薦があってのことだった。これについては畑野文夫著『森田療法の誕生』に詳しく書かれている。今日の事は今日のうちにやっておく、その積み重ねが後で生きてくる。

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