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2018年5月 1日 (火)

神経質礼賛 1501.すたすた坊主

 一昨日は普通の日曜日のように過ごしていた。昼食後に、ふと、今日は429日か、と思い出したことがある。白隠(388話、拙著p.237-238)ゆかりの松蔭寺に一昨年行って(1263)、その際、毎年429日の一日だけ、陰干しを兼ねて、白隠の書画を寺内で公開していることを知ったのだった。ちょっと時間が遅いけれども、行ってみることにした。


 JR原駅を降りると正面に少し霞がかった富士山がいい感じに見える。旧東海道を東へ
10分ほど歩いたところに松蔭寺はある。境内に入ると外のテントを片付けているところだった。しまった、遅かったか。時計を見ると3時15分。片付けている人に聞いてみると「ほんとは3時までだけど、まだいいんじゃないかなあ」と言ってくれたので入らせてもらった。

  お堂の中には、白隠の書画が数多く吊るされていた。先日、静岡市美術館で見た(1477)ものも多かった。美術館でガラス越しに見るのと、堂内に掛けられたものを近くで直接見るのとでは迫力が違う。ここで見ることができるのはありがたいことだ。ユーモラスな「すたすた坊主図」が印象に残った。すたすた坊主とは、江戸時代の乞食坊主・大道芸人でもあった願人坊主のことだ。白隠画では、裸の布袋さんが勢いよく歩いているように描かれている。それは、俗世間から離れて寺に籠るのではなく市井に出て教えを説こうとする白隠の自画像でもあると言われている。なお、白隠が描いた同様のすたすた坊主図は、早稲田大学會津八一記念博物館などに所蔵されていて、見る機会も少なくないだろう。いやな気分や怒りの感情が沸き起こった時には、この画を思い出して、そうした気分はそのまま放っておいて、すたすたと前へ前へ歩いて行こう。

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コメント

『すたすた坊主』 軽妙で、すばらしい名称です。見たことないですが、探してみます

たらふく 様

 コメントいただきありがとうございます。

 「すたすた坊主」で検索されますと、美術館に所蔵されているものの画像を見ることができます。布袋さん、博打ですっからかんになってしまって、すたすた坊主をして日銭を稼いでいる、というような面白い詞書が入っていたりするようです(笑)。

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