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2018年6月 1日 (金)

神経質礼賛 1511.Mahler Four by Four

 ネット上の楽譜図書館IMSLPで面白い楽譜を見つけた。マーラー(402)作曲の交響曲第4番の第1楽章を弦楽四重奏版に編曲したものだ。表題がMahler Four by Fourと洒落ている。4×4つまり四輪駆動とも読める。管楽器の分まで織り込んだ編曲だから、ヴァイオリン第一・第二・ヴィオラ・チェロともまさに四輪フル駆動である。空いた時間に少しずつ楽譜をパソコンに入力していき、2か月近くかかって完了。とりあえず、第一ヴァイオリン用カラオケ音源を作って、それに合わせて弾いてみる。


 
 この曲には思い出がある。浪人しても希望の国立大学に入れず、私大に入学し、3畳一間のボロアパートで生活した。大学のオーケストラに入部したけれども、「もっといい楽器を買え」「ドイツへ演奏旅行に行く金を用意しておけ」と言われて、これは無理だと思って辞めた。その時、練習していた曲がこの曲だった。この曲は「大いなる喜びへの賛歌」とも呼ばれる。しかし、私にとっては「負けっぱなしの青春の挽歌」に他ならない。


 
 神経質人間はしばしば過去の失敗を振り返って反芻する。徳川家康が「しかみ像」(209)を座右に置いて慢心を戒めたのと同じである。一見、マイナス思考のように見えるかもしれないが、神経質は生の欲望が強いから、向上心が強く、ダメ人間なりに努力していこう、という方向になる。粘り強く努力しているうちに、結果的には何とかなっているのである。

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コメント

「浪人しても希望の国立大学に入れず、私大に入学し、3畳一間のボロアパートで生活した。大学のオーケストラに入部したけれども、『もっといい楽器を買え』、『ドイツへ演奏旅行に行く金を用意しておけ』と言われて、これは無理だと思って辞めた。その時、練習していた曲がこの曲だった」
 このたった4行に、四分先生の青春の雌伏が見事に現れています。
もう10年以上前ですが、江戸川橋を通り早稲田までよく歩きましたので、あのへんの何とも言えぬ荒涼感が思い出されまして、先生の思いがリアルに迫って参ります

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 お察しいただき恐縮です。当時は自分が情けなく親にも申し訳なくて最大限切り詰めた生活をしておりました。こうした「どん底」体験も無駄ではなかったと今では思っています。

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