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2018年6月29日 (金)

神経質礼賛 1520.半夏生(はんげしょう)

先日、精神神経学会の帰りに京都の建仁寺の塔頭・両足院(りょうそくいん)に立ち寄った。土曜日ということもあってか、雨だというのに四条通は観光客であふれ、通り沿いの店はどこも賑わっていた。両足院は祇園の花見小路を南に下り突き当たった先にある。建仁寺の境内に入ると騒がしい外国人観光客たちの姿は消え、別世界である。両足院は初夏の1か月半ほど一般公開していて、半夏生の庭園で知られる。半夏生とは水辺に生えるドクダミ科の多年草であり、ちょうどこの時期、葉の下半分が白色に変化し、さらに白い穂のような小さい花をつける。庭園は雨に打たれた木々や苔の緑が美しいが、群生している半夏生たちが、まるで白い大きな花々を一斉に開いているかのように見え、清冽な印象を与える。


季節の言葉にも半夏生はある。七十二候の一つ、半夏生は、夏至から11日目にあたり、7月2日頃だという。古くは田植えを終わらせる目安とされていたそうである。この時期に降る雨を半夏雨ともいい、大雨になりやすい。梅雨の後半は南からの熱風が吹き込んで蒸し暑くなり、突然の雷雨や突風を伴った大雨に注意する必要がある。神経質としては、気象情報に気を配り、しっかり雨具を用意したい。


昨日のスーパーのチラシに「7月2日は半夏生 タコを食べよう」とあった。今まで聞いたことのない話である。これは関西の風習らしい。田植えを終えた人々が半夏生の日に神様にタコを捧げて、稲の根がタコの足のようにしっかり根付き、タコの吸盤のように稲穂がたくさん実るように祈ってからそれを食べたのだそうだ。急に蒸し暑くなってバテ気味のこの時期、タコを食べて元気を出すのもよいかもしれない。

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