神経質礼賛 1529.ある日の精神保健相談
一昨日の午後は保健所の精神保健相談だった。厳しい暑さの中なので、熱中症に用心してスポーツドリンクのペットボトルを持って出かける。
今回の相談は2件で、1件は、飲酒にまつわる問題。しかし、よくよく話を聞いてみると同棲しているパートナーのパーソナリティ障害が大きな要因になっているように思われた。もう1件は、いわゆる「新型うつ病」(223話)かもしれないケース。妻の実家の家業を継ぐという条件で結婚した夫が仕事をしなくなり、以前の会社員時代に「うつ病」で休職した経験があり、それと同じような感じになっている、と言いながらも精神科受診は拒否しているというケースである。睡眠障害も食欲低下もなく、趣味には熱中している、他罰的で妻やその両親には種々の要求をしてくる、となると、明らかに古典的なうつ病ではない。家業が本人にとって面白くないということもありそうだ。詐病や疾病逃避も疑われる。こういうケースは対応が難しい。休むように指導するか、それとも背中を押して働くように仕向けるか。診立てによって対応が180度変わってくる(287、312、313、328.353、407、458話参照)。そして「人を見て法を説け」(1487話)ということにもなってくるので、ともかく、夫の両親とも連携して精神科を受診するように勧めておいた。
相談を終えて近くの三島二日町駅で三島行の電車を待っていると、見たことがない派手なラッピング車両が入ってきた。アニメ風の女の子たちの絵が大きく描かれている。HAPPY PARTY TRAINというもので、架空のアイドルグループAqours(アクア)のメンバーが描かれているのだそうだ。私のような中高年にとっては、静岡鉄道の「ちびまる子ちゃん電車」はまだしも、伊豆箱根鉄道のこの電車はもはやついていけない世界である。電車に乗っていると急に大雨が降り始める。このところの極端な暑さと雨不足で農作物の成長に支障をきたしているので、良いお湿りである。
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