神経質礼賛 1532.五拍子の曲
前話に出たホルスト作曲・組曲「惑星」の第1曲「火星」以外にも五拍子の曲はある。スラブ民謡では五拍子は珍しくないそうだ。チャイコフスキー最後の作品・交響曲第6番「悲愴」の第2楽章。優美なワルツではあるが、今ひとつ舞い上がれない重さや憂鬱さを感じさせる曲である。ショパン作曲ピアノソナタ第1番作品4の第3楽章も静かに流れるような曲ながら五拍子である。ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」の中で繰り返し出てくる「プロムナード」では五拍子と六拍子が入り混じっている。
ジャズの曲では「テイクファイブ」という曲がよく知られていて、ジャズは全く聴かないという方も知らぬ間にBGMとしてよく耳にしていると思う。そして、「スパイ大作戦」のテーマ曲「ミッション・インポッシブル」もやはり五拍子である。強い緊迫感が伝わってくる曲である。旋律だけ聞いていると一体何拍子なのかわからなくなる映画「マルサの女」テーマ曲もリズム楽器の音に耳を澄ませば五拍子であることがわかる。映画の表現する怪しい世界を一層引き立てる名曲かと思う。
キッチリ・カッチリ・安定を好む神経質には四拍子が向いていそうだけれども、たまには五拍子の曲で気分転換を図るのも悪くない。
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