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2018年10月29日 (月)

神経質礼賛 1560.欲張りで良い

 無欲恬淡(むよくてんたん)という言葉がある。欲がなく物に執着しないことを言う。仏教では人間が本能的に持っている五欲(①食欲、②色欲、③睡眠欲、④財欲、⑤名誉(権力)欲)が平常心を失わせる根源だとしている。欲が深いというと悪いイメージがあるが、森田正馬先生は欲張りで良いと説いておられる。


 神経質の人は、ズボラやルンペン(乞食・浮浪者)を見ると、物に拘泥しなくてよいとか・無欲恬淡でよいとかいって、これをうらやむ事さえもある。しかし僕のところの修養ができて来ると、初めて自分が、物に拘泥し・面倒がり・あれもこれもと欲望が強く・絶えず心がハラハラとして、向上発展の力が泉のようにわいてくるという事を喜び・感謝するようになる。

(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.685


 完全欲の強いほどますます偉い人になれる素質である。しかるにこの完全欲の少ないほど、下等の人物である。この完全欲をますます発揮させようというのが、このたびの治療法の最も大切なる眼目である。完全欲を否定し、抑圧し、排斥し、ごまかす必要は少しもない。学者にも金持にも、発明家にも、どこまでもあく事を知らない欲望がすなわち完全欲の表われである。我々の内に誰か偉くなって都合の悪い人がありましょうか。偉くなりたいためには、勉強するのが苦しい。その苦しさがいやさに、その偉くなりたい事にケチをつけるのである。あの人が自分に金をくれない、それ故にあの奴は悪人である、とケチをつけるようなものである。偉くありたい事と差引きして考える必要はない。これを別々の事実として観察して少しもさしつかえはないのである。この心の事実を否定し、目前の安逸を空想するのが、強迫観念の出発点である。(白揚社:森田正馬全集 第
5巻 p.32


 神経質人間はよりよく生きたいという生の欲望が人一倍強い。それは良いことなのだが、どうかすると理想が高過ぎたり他人と比較し過ぎたりして、自分はダメだと諦めてしまうことがある。向上発展欲が強いのに、手間と労力を計算して無理そうだと努力を放棄してしまうこともある。理屈をこねずにその場その場でできることを一つずつやっていけば、自然と「ものそのものになる」になっていく。神経質がひとたび動き出せば簡単には止まらない。粘り強く続ける持続力は抜群である。そして気が付けば人並み以上の成果が得られているのである。

2018年10月26日 (金)

神経質礼賛 1559.寝れば寝くたびれる

 70代前半の男性患者さん。近隣トラブルを繰り返して警察沙汰となって入院してきた人である。自分の体に関する心配がとても強く、訴えが非常に多いので、他の病院の泌尿器科、整形外科などを受診させたが特に治療が必要なレベルではなかった。いつも「夜眠れない」と訴え、作業療法を勧めても「膝が痛いし腰も痛い」と言って一日中臥床していた。担当の看護師さんと一緒になって日中は起きてもらうように頻繁に声掛けをしていた。御兄弟の協力により入所できる施設が見つかってようやく退院に漕ぎつけた。それから3カ月になる。見違えるようにシャキっとした歩きになり、健康的な表情に変わってきた。兄の家から近い施設なので、兄や甥がよく面会している。週2回、施設からデイケアとリハビリ施設に通所しているのだそうだ。また、週1回はスーパーまで送迎バスが出ているのでそれに乗って買物に行くのが楽しみなのだそうだ。やはり、寝過ぎは禁物。特に昼間も寝ているのは良くない。森田正馬先生は次のように言っておられる。


 例へば、「寝れば、寝くたびれる」といつて、誰でも朝寝過ぎれば、頭は重く・身体はだるい。それで神経質は、試験勉強とかいふ時、頭の重い事に・氣のついたのを動機として、それから自分は、神経衰弱になつたかと思ひこみ、安静にしなければならぬと考へ、「保養と怠惰は、似て非なるものなり」といふ様に、朝寝をしたり・無精をして・なまけるために、益々其症状を自分で仕立てあげるやうなものである。(白揚社:森田正馬全集 第6巻 
p.177-178


 連休の時、「出かければお金がかかるし、どこも混んでいるし、疲れているから」とゴロゴロ寝ていてはかえって疲れるだけである。普段できない片付けや掃除をすると達成感がある。遠出しなくても、催し物を調べて見に行ったり、カメラをポケットに入れて季節の草花を探しながらミニハイキングをしたり、たまには将棋盤を引っ張り出して新聞の棋譜を並べてみたり、とお金をかけずに楽しめる方法はいくらでもある。神経質を生かして休日の過ごし方を工夫してみよう。

2018年10月22日 (月)

神経質礼賛 1558.多すぎる祝日

 来年の5月1日は新天皇即位のため特例で国民の祝日になる。そのため、昭和60年改訂の「祝日と祝日に挟まれた日は休日に」という祝日法のルールに従って、4月30日と5月2日も休日となって土曜日が休みの人は10連休になるのだそうだ。海外旅行好きの人はワクワクしてプランを考え始めたことだろう。また、旅行業界も大喜びである。


 しかし、医療関係では外来患者さんが薬を切らして症状を悪化させてしまうとか、連休前後に外来患者さんが集中して混乱するとか、救急病院には患者さんが溢れてなかなか診てもらえない事態が発生するとかといった問題が起こるのは目に見えている。5月病の出やすい時期に
10連休にしたら、休み明けに出社できない人が多発しそうだ。また、金融機関も長期間閉店となると、お金の引き出しや払い込みなどに支障をきたすだろう。連休の前日と連休明けには客が殺到する事態が予想される。


 ただでさえ、わが国の祝日は諸外国に比べて多く、年
17日は先進国の中ではトップである。ちなみにアメリカは10日、ヨーロッパ諸国は1ケタが多い。それに加えて「ハッピーマンデー」と称して月曜日を休みにして連休にしようとするから、やけに月曜日の休みが多くて、先月は2週続けて月曜祝休日があった。月曜が外来担当日の私の患者さんたちは不便していると思う。祝日を増やしても仕事の総量が減るわけではない。企業ではその分、中間管理職が残業や自宅作業や休日出勤をして埋め合わせなくてはならないだろう。本来もっと休むべき過労死予備軍の人たちをますます追い詰めてしまうだけである。「海の日」だの「山の日」だのといった、取って付けたような祝日は要らないし、第何月曜日などという祝日ならばそもそも意味がない。それよりも、「絵に描いた餅」になりがちな有休休暇をしっかり取って、趣味などでリフレッシュできるような仕組みにしていくことが大切なのではないだろうか。

2018年10月19日 (金)

神経質礼賛 1557.塩害

 1553話で三島の日大通りのイチョウの落葉について書いたが、最近のニュースによれば、どうやら台風24号の強風とそれによる塩害が原因らしいとのことだ。イチョウの黄葉の名所・横浜の日本大通りのイチョウ並木で台風24号の強風と塩害のために落葉してしまったという新聞記事があった。そこは海から近いから不思議ではない。三島の場合海から10kmほど離れているから、まさかと思ったが、三島でも風速30km以上の猛烈な強風が吹きつけたから、駿河湾の海水が吹き上げられてきて影響を受けたのだろう。


 ここにきて、関東・東海・近畿地方で時季外れのソメイヨシノの開花が報じられている。桜の花芽は7-8月に作られるが、気温が高くても、葉からのホルモンにより開花が抑制されている。それが、台風の強風や塩害により葉が落ちてしまい、抑制していたホルモンが送られなくなって、開花してしまったのだそうである。季節外れの桜に喜んでもいられない。塩害はコメや野菜の生育にもダメージを与える。時間が経って、今後、被害が明らかになってくると思われる。


 塩害は送電設備の漏電を招き停電の原因にもなる。今回の台風
24号で起きた大規模な停電は、単に強風による電線の損傷だけでなく、塩害もあったかもしれない。そして、住宅の屋根や外壁にもダメージを与える。私たちも他人事ではない。鉄筋コンクリートのビルやマンションでは鉄筋の腐食が進み、コンクリートひび割れを招く恐れがある。


 今年、強力な台風が次々と発生したのは海水温の上昇が原因である。すぐにこれを予防することはできないけれども、私たち一人一人が、温室効果ガス排出の削減、省エネを心掛けていく必要があるだろう。目先の利益しか考えず神経質が完全に欠落したトランプ大統領の言うように環境基準を甘くしていったら、人類は自分たちの首を絞めることになる。

2018年10月15日 (月)

神経質礼賛 1556.漱石山房記念館と仙厓展

 小田原で「からたちの小径」を歩いたのは前奏に過ぎない。欲張りな神経質は小田急に乗って新宿へ。そして目白駅から細川家の博物館・永青文庫を目指す。永青文庫は2回目なので迷わずに行けた。それにしても徒歩20分以上かかる。「江戸絵画の美」(1013日-125)という企画展で狩野派の絵画に始まり仙厓(902381033話)や白隠(3881477話)の絵画も展示されていた。来館者は3人しかいなかった。白隠の「お福御灸図」では金の亡者の男の尻にお多福さんがお灸をすえている。仙厓さんの「七福神図」を見ると、シアワセ感をもらったように思える。そして虎か猫かわからないような画に「虎か猫か当てて見よ」と書いているのも面白い。細川家の庭園だった新江戸川庭園を降りていくと、もう楓の紅葉が始まっていた。


 その後は出がけに、毎日新聞の記事で、夏目漱石終焉の地に建てられた新宿区立漱石山房記念館が
1周年を迎えたという話を知って、寄ってみることにした。かつて住んだ三畳一間のボロアパート(83)があった早稲田鶴巻町から見て早稲田通りの反対側にある。漱石(626)の書斎が再現されており、漱石自筆の原稿が展示されていた。裏に回ると「吾輩は猫である」の猫ちゃんの墓があった。カフェのメニューに漱石が愛した空也最中と飲み物のセットがあるのも面白い。つい昔のクセで早稲田通りを神楽坂方面に歩くと、化け猫のイベントで人が溢れている。飯田橋からJRで有楽町へ。


  出光美術館での「仙厓礼賛」(
915日-1028日)がこの日のメインだ。出光美術館は仙厓の書画を数多く所蔵しているが、常設展示はなく、こうした企画展の時にしか見られないから絶好のチャンスである。今回は「老人六歌仙画賛」の3バージョンが展示されていて面白かった。老いや死を笑いにしてしまうのが仙厓さんらしい。本来、釈迦の死を描く涅槃図で、自分の死を描いて周りの人たちの慌てぶりをユーモラスに描いている画は初めて見た。もちろん有名な「指月布袋画賛」や「堪忍柳画賛」や「○△□」も展示されているから、仙厓ファンは必見である

 家に帰って歩数計を見たら2万4千歩。15kmほど歩いたことになる。ちょっとやり過ぎかなと反省する。

2018年10月14日 (日)

神経質礼賛 1555.からたちの小径

 今朝はいつも通りの時刻に家を出ていつもの電車に乗る。三島で在来線に乗り換え、小田原へ。西口に出て、北原白秋の散歩道「からたちの小径」を歩く。からたちは白秋作詞・山田耕筰作曲の「からたちの花」で有名だし、島倉千代子の「からたち日記」という唄にもあるけれども、私はからたちの木そのものを見たことがない。一体、どこで見ることができるのだろうか、と調べているうちにこの散歩道の存在を知ったのだった。白秋は大正7年から15年まで小田原に住み、この散歩道を歩いていた。ネットに公開されている「白秋童謡の散歩道を歩こう」という地図をプリントアウトしたものを手に歩いて行く。駅に一番近い所にあるのは「赤い鳥小鳥」のパネルだ。ただ、このパネルは40×30cm程度の大きさで、見落としてしまうかもしれない。急坂を上がって行くと、「待ちぼうけ」のパネルがある。このあたりではかなり高度が上がっていて、小田原城が見える。しかし案内板がないので不安になる。分岐点で間違えないように案内矢印を設置するような神経質が欲しいところだ。農作業をしている人を見かけただけで全く人を見かけない。「ペチカ」のパネル発見。朝降っていた雨がまたぶり返す。足元があまり良くない。所々に小田原城総構の遺構が見られる。「揺籠のうた」のパネルの所で道を誤った。城山公園の方に行ってしまい、途中で引き返す。ようやく「からたちの花の小径の碑」に行きつく。「からたちの花」のパネルもある。しかし、からたちらしい木は見当たらない。とりあえず写真を撮り、坂を下りて行く。「この道」や「砂山」のパネルを通って行くと、相模湾から真鶴半島のパノラマが広がる。時間がないのでトンネルを歩いて駅へ向かう。


 からたちは、トゲがあるので、かつては侵入防止目的生垣に使われていたが、手入れが大変なので今では見かけなくなっているという。春には白い花を咲かせ、球状の緑色の実がなり秋には熟して黄色くなる。香は良いが酸味と苦味が強くて食用にはならないそうである。しかし、「からたちの花」の作曲者、山田耕筰は少年時代にそれを食べて飢えを凌いでいた。父親を亡くして家は貧しく、昼間は工場で働き夜学で勉強した。工場では先輩から足蹴りされ、こっそりからたちの生垣のところで泣いたという。白秋作詞となっているけれども、山田耕筰の実体験に基づいた歌詞であり、そのエピソードを思い浮かべて歌詞に目を遣ると、深く理解できる。


 先日、山田耕筰自身の編曲によるヴァイオリンとピアノのための「からたちの花」の楽譜を購入した。重音奏法に左手ピチカートが入るなかなかの曲に仕上っている。ヴァイオリンでは歌詞は表現できないけれども、今回歩いた小径を思い浮かべながら弾こうと思う。そして、必ずや、からたちの花と実を見てみたい。

2018年10月12日 (金)

神経質礼賛 1554.冬瓜(とうがん)

 実家から帰って来た妻が嬉々としてスイカ大の少し楕円の球体を両手で抱えている。車で通った無人販売に100円で売っていたとのこと。「冬瓜は美肌効果があるんだから」と。さては、また、健康番組の影響だな。確かにグラム単価は激安だけれど、冬瓜は水分ばかりだよなあ、と内心思う。


 冬瓜は7-9月に収穫されるが、常温で冬まで保存できることからその名が付いたということだ。冬瓜は
95%以上が水分である。カロリーは100g当たりわずか16kcalであるから、ダイエットには役立つだろう。JAグループのHPを見ると「余分なナトリウムを排出して血圧を正常に保つ働きをするカリウムを多く含み、腎臓での老廃物排出を促進し、肌の健康維持に役立つビタミンCも含む」とある。さらには、「皮脂の分泌を抑制し、コラーゲン生成に必要なビタミンCの働きを助けて、傷ついた肌を修復する効果がある」「抗ストレス作用があり、治りにくいストレスニキビにも効果がある」といった美肌効果を喧伝するネット情報も見受けるが、真偽のほどは不明である。


 それよりも、何を食べさせられるのかが一番気になるところである。冬瓜と言えば、肉そぼろのあんかけ、味噌を乗せた「風呂吹き」あたりが頭に浮かぶ。食卓に出てきた物は・・・結局いつもと変わらなかった。何種類もの野菜のゴタ煮のような味噌汁(しかもダシの煮干しがそのまま入っている)、余ものの野菜とシメジと肉の炒め物、それらの素材に冬瓜がもう一種類加わっただけのことだった。心配することもなかった。

2018年10月 8日 (月)

神経質礼賛 1553.イチョウの落葉

 職員送迎車(と言ってもハイエースだが)の運転手さんが「今年は変ですよ。イチョウ並木の葉っぱが落ち始めましたよ」と言う。見ると確かにかなり落葉してしまっている。通称「日大通り」の両側にはイチョウの木が立ち並び、例年11月には道路一面が黄金色に染まり、美しい光景が楽しめる。今年は厳しい暑さが続き、その後は例年以上の雨量の雨が続いたから、イチョウの葉も参ってしまったのだろうか。


 ついこの前は急に肌寒くなって、通勤の電車ではコートを着た人も見かけた。しかし、台風
25号が去った昨日は10月だというのに気温33℃。これでは人間もたまったものではない、とグチをこぼしたくもなる。例年ならば、この連休のあたりで扇風機の羽をはずして掃除し、しまい込むところながら、もう1-2週はしまうわけにはいかないだろう。もっとも、暑さ・寒さは何とも仕方がない。森田正馬先生は次のように言っておられる。


 冬が来れば、「今年ほど寒い事はない」とこぼし、暮が来れば、誰も「今年の不景気」をかこつお世辞のためにいふのか、其時々の気分のまゝに訴へるのか分らない。いはずもがなと思ふのである。其時の事を、前年と比較して、正しく批判し得る人は稀である。(白揚社:森田正馬全集 第7巻 
p.234


 すでに酷暑が当たり前になってきたのだから、「異常気象だ」と騒いでも始まらない。工夫して順応していくだけである。

2018年10月 5日 (金)

神経質礼賛 1552.停電対策

 先週末の台風の際に強風のために送電設備が損傷して静岡県内・特に浜松市など西部地区で大規模な停電が起きた。丸5日経った昨日になって、ようやくほぼ全世帯が復旧したという。勤務先の病院近辺では停電は起こらなかったが、三島市街地の一部でも長時間の停電が発生し、パートで来て下さっている開業医の先生の話によると、停電のためクリニックは休診に追い込まれ、冷蔵保存している医薬品は「避難」させたという。


 私が子供だった頃は台風で停電という事態は時々あって、仏壇のない家でもローソクは買い置きしていて、それで対応していた覚えがある。今では送電設備が良くなって、滅多に停電は起こらない。あっても数分とか数十分レベルである。しかし、今回のように、あちこちで電柱が強風でなぎ倒されて送電線も切れてしまったとなれば、復旧には数日かかってしまう。現代の生活は便利な電気にすっかり依存しきっている。マンションでは屋上のタンクに電気ポンプで水を汲み上げているから、停電で水も出なくなって、まずトイレが困ってしまう。オール電化住宅では煮炊きができなくなる。高層マンションの上層階に住んでいたら、エレベーターが使えず階段の昇り降りに一苦労だろう。


 私たちの身の回りは電化製品があふれていて、充電モノも多い。停電が長引いた場合、電池切れしたスマホを充電できず、困ることになる。普段からモバイルバッテリーを用意しておけば、いざという時にスマホなどに充電することができるだろう。もっとも、携帯電話の中継局も停電でダウンしていると、通話やネット通信もアウトである。そんな時、情報源として役立つのはラジオだ。時々、電池切れになっていないかチェックしてみよう。それと
LEDライト。百円ショップでも結構良いものが買える。そして、よく使う単3や単4の乾電池は十分に用意しておこう。

2018年10月 1日 (月)

神経質礼賛 1551.計画運休

 今年は大型台風が次々と発生し、日本列島に襲いかかっている。昨日から今日にかけて通り抜けた台風24号も大型で強い台風だった。日本列島に近づいてからは動きが早くなって急激に風雨が強まるので、まだ大丈夫だと思って出かけていると天気が急変してとんでもないことになる。電車通勤をしている私は、いつも台風が近づいて来ると、通勤の足が心配になる。帰宅困難者予備軍である。そこで台風情報や交通情報には注意を払っている。今回は当直が続き、3泊4日勤務のため、直接の影響はなかった。もっとも、昨夜は当直室の窓を叩きつける激しい風雨の音で何度も目が覚めた。


 今回の台風では、JR・私鉄とも早い段階で計画運休を発表していた。夕刻には東海道新幹線は運休となり、首都圏のJRは昨日午後8時ですべての列車を運休すると発表していたから、デパートなどの商業施設も早めに閉店するような対応を取っていた。それに合わせて行楽や買物に出かけていた人々も帰宅を早めたので、比較的大きな混乱はなかったようだ。ギリギリまで運行すべきだ、と考える人もいるかもしれないが、途中で列車が立往生してその中に閉じ込められて一夜を明かすという事態に自分が巻き込まれた場合のことを考えて欲しい。やはり早目に対策を立てて計画運休した方が安全だし、その後の運行再開もスムーズにいく。


 大型台風のような自然の脅威に抗うのは無謀である。何とも仕方がない。神経質に用心して、安全を確保し、被害を最小限に留めるのが人間にできうることである。これも一種の「あるがまま」と言えるかもしれない。後を追うように台風25号が発生している。まだまだ台風シーズンは続く。

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