神経質礼賛 1558.多すぎる祝日
来年の5月1日は新天皇即位のため特例で国民の祝日になる。そのため、昭和60年改訂の「祝日と祝日に挟まれた日は休日に」という祝日法のルールに従って、4月30日と5月2日も休日となって土曜日が休みの人は10連休になるのだそうだ。海外旅行好きの人はワクワクしてプランを考え始めたことだろう。また、旅行業界も大喜びである。
しかし、医療関係では外来患者さんが薬を切らして症状を悪化させてしまうとか、連休前後に外来患者さんが集中して混乱するとか、救急病院には患者さんが溢れてなかなか診てもらえない事態が発生するとかといった問題が起こるのは目に見えている。5月病の出やすい時期に10連休にしたら、休み明けに出社できない人が多発しそうだ。また、金融機関も長期間閉店となると、お金の引き出しや払い込みなどに支障をきたすだろう。連休の前日と連休明けには客が殺到する事態が予想される。
ただでさえ、わが国の祝日は諸外国に比べて多く、年17日は先進国の中ではトップである。ちなみにアメリカは10日、ヨーロッパ諸国は1ケタが多い。それに加えて「ハッピーマンデー」と称して月曜日を休みにして連休にしようとするから、やけに月曜日の休みが多くて、先月は2週続けて月曜祝休日があった。月曜が外来担当日の私の患者さんたちは不便していると思う。祝日を増やしても仕事の総量が減るわけではない。企業ではその分、中間管理職が残業や自宅作業や休日出勤をして埋め合わせなくてはならないだろう。本来もっと休むべき過労死予備軍の人たちをますます追い詰めてしまうだけである。「海の日」だの「山の日」だのといった、取って付けたような祝日は要らないし、第何月曜日などという祝日ならばそもそも意味がない。それよりも、「絵に描いた餅」になりがちな有休休暇をしっかり取って、趣味などでリフレッシュできるような仕組みにしていくことが大切なのではないだろうか。
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