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2018年11月30日 (金)

神経質礼賛 1570.冬の星座

 明日はもう12月。2カ月前、12月1日の土曜日には有休を取って京都へ行こうと企んでいた。秋の特別拝観をまだやっている寺院が多いし、紅葉もまだ残っているだろうし、12月ともなれば観光客も減って、絶好のチャンス。ところが、看護師さんからその日の病院クリスマス会での演奏を依頼されて断るわけにもいかず、紅葉狩りプランは夢と消えた。


 いつも、自分の演奏だけでなく、参加者みんなで歌う「きよしこの夜」などのクリスマスソングもあるのだが、さらに冬の歌として中学の音楽の教科書でおなじみの「冬の星座」も加えた。事前に病棟で患者さんや職員さんたちが練習できるようにパソコンのソフトシンセサイザーで伴奏音源も作って
CDに焼いておいた。


 冬の星座の日本語詞は堀内敬三さんの作詞であり、文語体の美しい詩がメロディにピッタリ合っている。メロディの最初の部分はファとシの音がない、いわゆる「ヨナ抜き」音階で作られていて日本人にはとてもなじみやすい。第二次世界大戦後、文部省唱歌に加えられている。ところが、アメリカの
W.S.Hays作詞作曲、1872年発表のこの歌、元々はMollie Darling(愛しのモーリー)というラブソングだった。CDはもちろんレコードもまだない、ラジオ放送もない時代のこと、クチコミで広がって楽譜が300万部売れたというから超ミリオンセラーの曲である。それに全く異なる日本語詞を考案した堀内さんの慧眼には驚く。

  歌詞にあるスバル(M45プレアデス星団)は晩秋あたりには肉眼でも天頂にボンヤリ見える。眼の良い人なら六連星(むつらぼし)の別名の通り、6個前後の星を見ることができるはずである。双眼鏡で見るとさらに多くの青白い星々が見えて大迫力である。そして、オリオン座も東の空から上がってくる。たまには夜空を見上げてみよう。

2018年11月26日 (月)

神経質礼賛 1569.金箔瓦

 現在、駿府城天守台の発掘調査が行われていて、金箔を貼った瓦が次々と出土している。先月、発掘現場の見学説明会があり、見に行ってきた。天守の規模は江戸城をしのぐ日本最大級だったそうである。先週からは発掘現場内のプレハブ小屋で瓦の展示が始まったので、また見に行ってきた。金色が少し残った瓦の破片がいくつか展示されていた。元は金箔を漆で貼りつけたものだったという。もっとも、写真パネルで展示された金箔が多く残っているものは4年前に復元された坤櫓(ひつじさるやぐら)に保管・展示されていて、「100円払ってそちらで見て下さい」とのことだった。そちらはまた日を改めて、ゆっくり見に行くことにする。


 この金箔瓦は秀吉の家臣、中村一氏が駿府城主の時のものである。
1590年の小田原征伐の直後、秀吉は家康を関東に国替えさせた。家康の力を削ぎ落し、京から遠ざける狙いがあったと考えられている。駿府城の高くそびえる天守の屋根には遠くからでもハッキリ見える金箔を貼って、秀吉の権力や財力を誇示したのだろう。


 金の茶室などで派手好きだと思われている秀吉だが金を無駄遣いしていたわけではない。自分の宣伝効果が高いことに思いきり金を注ぎ込んでいたのであって、金箔瓦もその一つなのだろう。それに比べ、神経質人間の家康は徹底的に質素倹約・実用本位である。初期の江戸城の入口の上がりには船板を流用していて、「見苦しいから立派なものにしましょう」と家臣が言っても聞き入れなかったというし、駿府城でも目立つ金具は一切付けさせなかったという。そうして家康が蓄えた金により江戸幕府は長続きし、長く平和が保たれたのである。

2018年11月23日 (金)

神経質礼賛 1568.シロアリ業者?

 仕事から帰ってすぐ電話がかかってくる。セールス電話を警戒して表示された番号を見る。0120で始まる時には出ないし、大阪や名古屋の市外局番だとセールスの可能性が高いと用心している。市内局番でも油断はできない。この日は出てみると、聞き覚えのない○○コンサルティングという名前のシロアリ駆除業者。4年半前に建てた母親の家の無料点検をすると言う。まず、頭に浮かんだのはインチキ業者なのではないかという疑いだ。最初は無料点検と称して床下を見て「このままではシロアリにやられてしまう」と脅かし、いい加減な処理を行って法外な料金をぼったくるシロアリ駆除ならぬシロアリそのものの業者の話はよくある。妻から、何日か前に住宅会社から点検についての電話があった、と聞いたので一応信用し、翌週に来てもらうことにする。ファイルに綴じてある書類を調べると、5年、10年の点検はその業者が行う旨書かれたものが見つかったし、ネットでいろいろ調べても悪徳業者ではなさそうだった。新築の時にシロアリ予防処理をしたのもその業者だったこともわかり、やっと安心する。このあたり、神経質は徹底的である。


 実際に点検に来て床下の写真を見せてもらう。シロアリ被害はもちろん水漏れもなく全く問題ないとのこと。その後でシロアリ予防処理を勧めてくる。見積の料金を聞いて、依頼することにした。保険の意味合いもあるし、母が一人でいる時に悪質業者に騙されないように、という意味もある。神経質の考えるところは常に安全第一である。

2018年11月19日 (月)

神経質礼賛 1567.電子カルテ

 勤務先の病院でも電子カルテが導入される。急に出てきた話で、当初は1、2年先、外来は難しいから入院だけ、などと言っていたのが、業者に乗せられて、入院だけでなく外来も来年の春、さらには年内、さらには12月中旬からと、どんどん早まってしまった。それでいて、紙カルテからのデータの移行は全然考慮されていないので、とても心配である。精神科専用のソフトだと高いからその業者のソフトになったという経緯があり、内科や外科など一般科用のソフトを精神科用にアレンジしているため、少々使いにくい面もあるように思える。週1回、業者から使い方の説明を受けて練習しているけれども、次にどこをクリックすればいいのかわかりにくい。老眼なので画面を見続けているとすぐに眼がショボショボしてくる。


 電子カルテになると医師の負担が大きい。特に精神科の場合、カルテに記載する内容が他科に比べて多いので、待ったなしの外来診療には厳しい。特に新患では今以上に時間がかかることになる。患者さんの顔を見ている時間よりパソコン画面を見ている時間が圧倒的に長くなってしまうのも困ったことである。大都市の精神科クリニックでは医療クラークを配置してデータ入力をしてもらえるところもあるけれども、そんな配慮は期待できない。

 
 グチをこぼしていても仕方ない。森田正馬先生の言葉「自然に服従し、境遇に柔順なれ」(828)の通りである。電子カルテ化は時代の流れであり、精神科でも導入する医療機関が増えている。事務員の仕事は減るから省力化になるし、毎年の行政による医療監視や事務指導などの監査への対応がしやすいし、やはり行政から要求される種々の調査にも統計資料が容易に作れるようになる。そして、医師が書きなぐっていて読みにくいカルテが読みやすくなるというメリットもある。ただし、定型文が増えて、恰好ばかりで長い割にはまるで内容がないカルテになりそうだ。

2018年11月16日 (金)

神経質礼賛 1566.たれサクふりかけ

 新聞の新商品紹介記事に丸美屋の「たれサクふりかけ」というものを見つけた。具材をかけてから別にたれをかける、という今までにないユニークな商品である。どんなものだろうかと興味をそそられる。行きつけのスーパーやドラックストアにはなかなか出てこない。新聞記事から2カ月ほど経ってようやく登場したので、えび天味、すき焼き味、焼肉味を買ってみる。それぞれ2食入りで価格は百円少々である。


 もちろん、本物のえび天やすき焼きや焼肉とは全く別物であるから、何も知らずに食べてそれらを連想するのにはかなりの妄想力(?)を要するだろう。とは言え、この
C級グルメを世に送り出した開発者には拍手を送りたい。3種類の中で一番良いと感じたのはえび天味だ。以前からインスタントの揚げ玉入りそばはあったから、その流れで想像しやすい。名前の通りサクサクした小さい天かす状の具材に甘めのタレがかかって天丼風味というわけだ。次が焼肉味。フライドオニオンの味がよく効いている。これらに比べてすき焼き味は今一歩及ばないというのが私の感想である。こうした面白いインスタント食品を考え出すのは日本のお家芸であり、日本人の神経質さによるところが大きいのではなかろうか。安藤百福さんの名言(720)を思い出す。

2018年11月14日 (水)

神経質礼賛 1565.DNA婚活

 昨日、当直の夜を終えて病院の食堂で朝食を摂りながらTVを見ていたら、NHKのニュース番組「おはよう日本」で最近の婚活事情を紹介していた。容姿や身長や年収などとは無関係に何とDNAの相性から相手を選ぶというのが流行っているのだそうだ。大変な時代になったものだ。思わず箸が止まる。


 調べるのは臓器移植の際に使われる
DNAHLA型である。まず、口内粘膜の組織を綿棒で少し取って、海外の検査会社に送り、HLA型を調べてHLA型の相性を調べるというのだ。面白いことに、HLA型は近いと相性が悪く、離れている方が相性が良いのだそうだ。海外の実験では、HLA型が離れている人の体臭は快く感じるそうである。そして、そうしたカップルから生まれる子供は免疫能力が優れている。さらに夫婦関係もうまくいきやすいという。会員の中からHLA型が離れた(つまり相性度の高い)人同士をお見合いさせるということが行われている。番組では実際にこのサービスを利用した時の様子や、このサービスで知り合って結婚した人の意見が紹介されていた。


 何のエビデンス(根拠)もない血液型相性に比べれば、ある程度の科学的根拠があるのかもしれない。しかし、
HLA型の相性が合うから幸せになれるとか、合わないから幸せになれない、ということでもないだろう。合わない部分があっても、お互いに相手を尊重し合いながら、合わせる努力をしたり、時には合わなくてもそこは目をつぶったりする、ということをしながら幸せになろうと努力していくのが夫婦なのではないだろうか。そこに妙味があるのではないだろうか。夫婦関係もやはり努力即幸福(180)だろうなあ、と旧人類の私は考えるのだった。

2018年11月12日 (月)

神経質礼賛 1564.朝食抜きは太る

 外来に通院している人で、朝食は食べず、1日2食という人がよくいる。印象としては、男性に多く、肥満体系の人が少なくない。中には1日1食でバリバリ働いているが、健康診断がいつもメタボで引っかかっているという人もいる。「低血糖で仕事の能率が上がらなかったりイライラしやすくなったりするから少しでもいいから朝何か食べましょうよ」と話をするが、「若い頃からずっとそうだから大丈夫です」という答が返ってくるばかりである。肥満が目立つ人には「お相撲さんも1日2食でしょ。体がそれに順応して脂肪分を貯めやすいのかもしれませんよ」という話もしている。


 先週6日の新聞記事に、「朝食を抜くと太る」体内時計に狂い・・・ラット実験、と題するものがあった。名古屋大学の研究チームの発表で、朝食抜きのグループでは、そうでないグループと比べて、食事量は同じでも脂肪が増えて体重が増加していた、というものだ。朝食抜きラットを詳しく調べたところ、肝臓で脂肪を代謝する遺伝子の働きが遅れ、食事中の体温上昇時間も短かったという。このような肝臓や体温リズムの異常からエネルギーの消費が減少して太ったと考察しているそうだ。やはり、お相撲さんからの連想は間違いではなかった。しっかりした研究成果が出たのだから、患者さんへのアドバイスに活用させてもらおうと思う。

2018年11月 9日 (金)

神経質礼賛 1563.字が変なのではないかと心配になる

 確認行為などの強迫症状のために仕事ができなくなって3年前に入院森田療法を受けた人がいる。3か月弱で退院すると同時に新しい仕事に就いた。時々、確認行為はあるけれども、日常生活に支障のない程度に収まっていて、仕事も順調に続いている。その人が浮かぬ顔で、「最近、自分が書いた字が間違っているのではないかとものすごく気になって、何度もスマホで確認しちゃうんです。認知症になっちゃったんでしょうか。脳外科を受診した方がいいでしょうか」と言う。「それも強迫症状の一つですよ。脳外科を受診する必要はありません」と告げる。「どうしたらいいんでしょうか。何か薬はないですか」とさらに聞かれて、「そういう薬はありません。薬はあなたの行動です」と答える。


 私自身、ふっと、何でもない漢字やひらがなが全然違っているのではないかという考えに襲われることがある。新聞や本に印刷されている字でさえ、変なのではないか、と思ってしまう。時間があると、辞書を引いてしまうこともあるけれども、一過性で過ぎ去っていく。「あなただけじゃない。私だってそういう時はたまにありますよ。ただ、次から次へやらなくてはならないことがあって、前へ前へと進んでいくうちに薄れて忘れているものですよ」と言い足す。


 強迫には種々の症状があるけれども、根本は一緒である。不安をなくすための「はからいごと」をしていたら強迫症状の底なし沼にハマっていくばかりである。「気にはなっても次の行動」それが本当の薬なのである。

2018年11月 5日 (月)

神経質礼賛 1562.自動車のパンク

 今週末、伯母の一周忌の法事があるけれども参加できないため、昨日、香典を届けに行こうと車で出かけた。ところが、家を出てどうも車の様子がおかしいと感じた。異音がしている。車を止めてみると、右前輪が明らかにパンクしているではないか。一方通行の狭い道なので、ゆっくり一周ぐるっと周って自宅に戻ってきた。さて、困った、どうしよう。年中無休24時間営業で、いつも車の点検を頼んでいる修理工場に電話してみる。スペアタイヤはありますか、と聞かれて、ありませんと答える。その工場の「バリュー会員」になっているので、指定のカーレスキューに連絡して下さい、とのこと。そこに連絡したところ、40分位でそちらに伺います、ということだった。実際には30分ほどで車両運搬車が来てくれた。そしていつもの修理工場に運搬。すぐに対応してもらえた。調べると、頭の取れた釘が刺さっていた。パンク修理だけで済んだ。ロードサービスは無料、修理代金2160円だった。自動車保険にセットされたロードサービスを利用しても同様の結果になっただろう。一旦、家に帰って妻に聞いてみると、車で前日に実家に行ってきた時には異常はなかったという。妻の実家近くのバイパス入口付近はよく物が落ちているというから、路面に落ちた釘を踏んでしまい何とか家までもったのだが、少しずつ空気が抜けたということだろうか。それにしても、少し走らせてしまってからパンクに気付くようでは神経質が足りなくていけない、と反省する。毎回乗る前にタイヤをチェックしなくては。


 また出直して、母の家に寄って母を乗せ、25
kmほど北の伯母の家を目指す。途中、山道で対向車とすれ違いできない所が数か所ある。ふと、こんな所でパンクしたら、という考えが頭をよぎる。無事に用を済ませて、帰り道の途中、真富士の里という地場産品の販売所に寄り、母の頼みで柿と干しシイタケとサツマイモを買う。ここはソバと山葵ソフトクリームが美味しいらしい。母の足が悪くなければ一緒に店に入ってソバを食べられるのに残念だ。この県道沿いはカエデのような赤系の紅葉はないが、イチョウは黄色く輝いていた。半月前には暑い暑いいと言っていたのに、いつの間にか秋が深まっている。

2018年11月 2日 (金)

神経質礼賛 1561.歯のメンテナンス

 昨日は歯医者さんへ行ってきた。といっても、歯が痛むというわけではなく、検診と歯石除

去が目的である。前から行こうと思っていたけれども、痛くないとついつい先送りしてしまっていた。年齢とともにだんだん歯にヒビが入っている部分が増えていつ欠けるかわからないし、歯肉も後退してきていて歯周病予備軍でもある。やはり悪くなってしまう前にチェックしてもらわなくては。


 数年前に、勤務先の常勤医の公休日が全員木曜日に変更になってしまい、前に通っていた歯医者さんが休診日のため行けなくなってしまった。そこで、歩いて行ける範囲で木曜日に診察している歯医者さんを探して、この歯科医院になった。女医さんで、実は高校2年の時、同じクラスだった人である。小柄だけれど男まさりで、よく野球部の男子たちから「おい、○○!」と呼ばれて、負けずに「何だよー!」と返していたものだ。今も声が大きく元気一杯である。


 一方、検査と歯石取りをしてくれるスタッフは細かい。30分以上かけて丁寧に歯石の処置をした後、さらに時間を掛けて歯磨き指導である。ここはこう歯ブラシをつかうといい、と丹念に教えてくれる。朝・昼は時間がないので、そのように磨くことは難しい。夜は教えてもらったように時間をかけて磨いてみるとしよう。歯の状態が日常生活に与える影響は極めて大きい。普段の心掛けが歯の健康、さらには心身の健康にも影響を与える。歯のメンテナンスをしっかりして健康的な生活を送れるようにしたいものである。

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