神経質礼賛 1564.朝食抜きは太る
外来に通院している人で、朝食は食べず、1日2食という人がよくいる。印象としては、男性に多く、肥満体系の人が少なくない。中には1日1食でバリバリ働いているが、健康診断がいつもメタボで引っかかっているという人もいる。「低血糖で仕事の能率が上がらなかったりイライラしやすくなったりするから少しでもいいから朝何か食べましょうよ」と話をするが、「若い頃からずっとそうだから大丈夫です」という答が返ってくるばかりである。肥満が目立つ人には「お相撲さんも1日2食でしょ。体がそれに順応して脂肪分を貯めやすいのかもしれませんよ」という話もしている。
先週6日の新聞記事に、「朝食を抜くと太る」体内時計に狂い・・・ラット実験、と題するものがあった。名古屋大学の研究チームの発表で、朝食抜きのグループでは、そうでないグループと比べて、食事量は同じでも脂肪が増えて体重が増加していた、というものだ。朝食抜きラットを詳しく調べたところ、肝臓で脂肪を代謝する遺伝子の働きが遅れ、食事中の体温上昇時間も短かったという。このような肝臓や体温リズムの異常からエネルギーの消費が減少して太ったと考察しているそうだ。やはり、お相撲さんからの連想は間違いではなかった。しっかりした研究成果が出たのだから、患者さんへのアドバイスに活用させてもらおうと思う。
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