神経質礼賛 1570.冬の星座
明日はもう12月。2カ月前、12月1日の土曜日には有休を取って京都へ行こうと企んでいた。秋の特別拝観をまだやっている寺院が多いし、紅葉もまだ残っているだろうし、12月ともなれば観光客も減って、絶好のチャンス。ところが、看護師さんからその日の病院クリスマス会での演奏を依頼されて断るわけにもいかず、紅葉狩りプランは夢と消えた。
いつも、自分の演奏だけでなく、参加者みんなで歌う「きよしこの夜」などのクリスマスソングもあるのだが、さらに冬の歌として中学の音楽の教科書でおなじみの「冬の星座」も加えた。事前に病棟で患者さんや職員さんたちが練習できるようにパソコンのソフトシンセサイザーで伴奏音源も作ってCDに焼いておいた。
冬の星座の日本語詞は堀内敬三さんの作詞であり、文語体の美しい詩がメロディにピッタリ合っている。メロディの最初の部分はファとシの音がない、いわゆる「ヨナ抜き」音階で作られていて日本人にはとてもなじみやすい。第二次世界大戦後、文部省唱歌に加えられている。ところが、アメリカのW.S.Hays作詞作曲、1872年発表のこの歌、元々はMollie Darling(愛しのモーリー)というラブソングだった。CDはもちろんレコードもまだない、ラジオ放送もない時代のこと、クチコミで広がって楽譜が300万部売れたというから超ミリオンセラーの曲である。それに全く異なる日本語詞を考案した堀内さんの慧眼には驚く。
歌詞にあるスバル(M45プレアデス星団)は晩秋あたりには肉眼でも天頂にボンヤリ見える。眼の良い人なら六連星(むつらぼし)の別名の通り、6個前後の星を見ることができるはずである。双眼鏡で見るとさらに多くの青白い星々が見えて大迫力である。そして、オリオン座も東の空から上がってくる。たまには夜空を見上げてみよう。
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