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2018年11月19日 (月)

神経質礼賛 1567.電子カルテ

 勤務先の病院でも電子カルテが導入される。急に出てきた話で、当初は1、2年先、外来は難しいから入院だけ、などと言っていたのが、業者に乗せられて、入院だけでなく外来も来年の春、さらには年内、さらには12月中旬からと、どんどん早まってしまった。それでいて、紙カルテからのデータの移行は全然考慮されていないので、とても心配である。精神科専用のソフトだと高いからその業者のソフトになったという経緯があり、内科や外科など一般科用のソフトを精神科用にアレンジしているため、少々使いにくい面もあるように思える。週1回、業者から使い方の説明を受けて練習しているけれども、次にどこをクリックすればいいのかわかりにくい。老眼なので画面を見続けているとすぐに眼がショボショボしてくる。


 電子カルテになると医師の負担が大きい。特に精神科の場合、カルテに記載する内容が他科に比べて多いので、待ったなしの外来診療には厳しい。特に新患では今以上に時間がかかることになる。患者さんの顔を見ている時間よりパソコン画面を見ている時間が圧倒的に長くなってしまうのも困ったことである。大都市の精神科クリニックでは医療クラークを配置してデータ入力をしてもらえるところもあるけれども、そんな配慮は期待できない。

 
 グチをこぼしていても仕方ない。森田正馬先生の言葉「自然に服従し、境遇に柔順なれ」(828)の通りである。電子カルテ化は時代の流れであり、精神科でも導入する医療機関が増えている。事務員の仕事は減るから省力化になるし、毎年の行政による医療監視や事務指導などの監査への対応がしやすいし、やはり行政から要求される種々の調査にも統計資料が容易に作れるようになる。そして、医師が書きなぐっていて読みにくいカルテが読みやすくなるというメリットもある。ただし、定型文が増えて、恰好ばかりで長い割にはまるで内容がないカルテになりそうだ。

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