神経質礼賛 1575.電子カルテ始まる
ついに今週の月曜日から1567話に書いた電子カルテが始まった。私は初日が外来担当日。今までのようにカルテに書く代わりにメモを書いておいて診察後にキーボードでカルテ入力するか、それとも患者さんと話しながら入力していくか、悩ましいところだ。思い切って患者さんと話しながら入力してみることにした。長年の診察スタイルと全く変わってしまう大革命だ。私のような中高年にはちょっとキビシイ。私のタイピング速度では手書きの倍近い時間がかかる。それに、ブラインドタッチではないからどうしても手元と画面を見る時間が長くなって、患者さんを見る時間は減ってしまう。大体のところは話しながら入力していき、患者さんが診察を終えて部屋を出てから書き足りなかった部分を書き足したり文面をチェックして訂正したりする、というスタイルに自然と落ち着いた。入力情報がたくさんある新患の人もメモを一切取らずにやってみた。画面のどこをクリックしたらよいか慣れていないので、画面のあちこちを探すのに時間がかかり、目がショボショボになる。そして、私が懸念していた通り、直近の処方内容が移行データとして入っていなかった患者さんが2割ほどあり、それをいちいち打ち込んでいく手間が発生した。それに、ミスがあって処方箋の打ち直しが数人出てしまった。午前外来はいつもより1時間長くかかった。
午後になって、病棟へ行ってみると、看護師さんたちもノートパソコンとにらめっこしている。今までの看護記録などもすべてキーボード入力に変わった。若い人はすぐに慣れているけれども苦戦している年配者も見かける。
電子カルテ導入が遅れていた精神科でもこれからはこういう診察スタイルになっていくのは時代の趨勢である。森田先生曰く「境遇に柔順なれ」。とにかく順応していく他はないと改めて思う。そして、電子カルテの長所が生かせるような使い方を工夫していきたい。
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