フォト
無料ブログはココログ

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

2019年1月28日 (月)

神経質礼賛 1590.スマートドラッグ

 先週の新聞記事に、厚生労働省が「スマートドラッグ」と称する薬剤のうち25品目を医師の処方箋がなければ個人輸入を認めない規制措置を開始したというものがあった。規制対象とされる品目の中にはADHD治療薬アトモキセチン(商品名ストラテラ)、抗うつ薬チアネプチン(商品名スタブロン:国内未承認)、抗てんかん薬レベチラセタム(商品名イーケプラ)、抗凝固薬ピラセタム(国内未承認)、脳循環代謝改善薬ニセルゴリン(商品名サアミオン)、血圧降下剤・β遮断薬アテノロール(商品名テノーミン)とナドロール(商品名ナディック)などが含まれている。個人輸入代行業者が本来の用法とは別に集中力向上や学習能力改善を謳って販売しているが、重大な副作用や他の薬剤との相互作用も懸念されるので、今回の規制措置は当然のことである。

 

 スマートドラッグに明確な定義があるわけではない。ヌートロピック(向知性薬)という呼び方もあるようだ。サプリメントとしてドラアッグストアで売られているものから違法な薬物まである。アメリカでは大学生の5人に1人がスマートドラッグを乱用しているという調査結果があり、AIエンジニアやビジネスマンの間でも広く使われているという話もある。

 

 外来患者さんから「頭がよく働く薬はないですか?」と聞かれることが時々ある。集中力を高めてスッキリ仕事や勉強に取り組めるようにしたい、と望むのは誰も同じである。特に、よりよく生きたい、という「生の欲望」が強い神経質の人はなおさらである。しかし、どんな薬にも副作用はある。健康な人がスマートドラッグを飲む必要はない。気が乗らないまま仕方なしに仕事や勉強に手を出していくうちに自然に必要な脳内物質は出ているのだ。そして、本来有能な神経質の場合、「自分はダメだ」と思いながらもいつしか仕事や勉強がはかどっているのである。

 

2019年1月25日 (金)

神経質礼賛 1589.電子レンジの買い替え

 週2回は母の家に行って、買物と清掃をしている。母が「昨日から突然電子レンジが使えなくなった」という。ターンテーブルは回るしランプも点く。しかし、入れた物が温まらない。ということは、マイクロウエーブを出すマグネトロンの故障としか考えられない。ハイアールというC国メーカー製の単機能レンジで、まだ買ってから4年しかたっていない。マグネトロンは一種の真空管であり、寿命は2000時間と言われている。130分使ったとしても10年以上はもつ計算だ。ハズレを引いてしまったということだろう。修理に出したら日数がかかる上、修理代が高くつく。レンジがなくては不自由だろうから買い替えることにした。


 あいにく妻が車で実家へ行ってしまっている時だったので、家電量販店で
5000円の単機能レンジを購入。箱を抱えて歩いて持ち帰る。普段ならば徒歩10分ほどだが、早くは歩けないので長く感じた。説明書を見たら重量12kgと書いてあった。これで一件落着、とはいかない。空箱の処理がある。発泡スチロールを割ってごみ袋に入れ、段ボール箱を潰す。重い物を入れる箱なので、金具で18か所も留めてある。そのまま段ボールの回収には出せないので、ラジオペンチを使って一つずつはずしていき、ようやく潰すことができた。問題は、壊れたレンジの処理だ。市役所に電話予約して月1回の不燃物回収で来月出す予定だ。これも神経質のお仕事である。買い替えもなかなか手間がかかるものだ。


 我が家の三菱製の電子レンジは丈夫で
25年位使っている。子供が幼稚園の時にいたずらしてレンジ台から床に落ちたことがある。子供にケガがなくて本当にホッとしたが、何とレンジも故障しなかった。妻が毎日こき使っているので、すでに累積1万時間は以上使っていると思われる。スイッチカバーのフィルムが破れてしまっているので、私は「そろそろ買い替えよう」と言っているが、妻は「まだまだ使う」と言い張っている。夫と同様、壊れるまで使おう、ということらしい。

2019年1月21日 (月)

神経質礼賛 1588.森田療法と熊本五高

 京都森田療法研究所の岡本重慶先生から新刊書『森田療法と熊本五高 森田正馬の足跡とその後』(熊日出版)をお送り頂いた。一昨年の秋、熊本大学で開催された第35回日本森田療法学会での発表を中心に編集されたもので、岡本先生も編集者のお一人である。京都森田療法研究所ホームページ上に公表されている岡本先生の研究内容の一部も40ページほどにまとめて掲載されている。


 森田正馬先生と言えば高知の人というイメージが強い。しかし、熊本の旧制第五高等学校での生活が森田先生の人間形成そして森田療法の誕生に大きな影響を及ぼしていたことをこの書は示している。森田先生は旧制土佐中学3年、
18歳の時に友人とともに家出し、東京で自活して電信技師になろうとしたことがあるが、2か月ほどで挫折して家に戻っていて、熊本での生活が実質的に初めての一人暮らしということになる。親元を離れての学生生活は人生に大きな影響を与える。森田先生は学生生活を謳歌し、同郷学生の土佐会のまとめ役として活躍していたが、一方で心悸亢進・頭痛・頭重感・下痢などの神経質からくる症状にも悩んでいた。しかし、中学の時とは異なり、体調不良を訴えて学校医の診察を受けてはいたものの、落第することはなく、東京帝国大学医学部に順当に進学している。症状はあっても行動しているうちに症状は自然に薄れていく、ということを体得していった時期だったのかもしれない。森田先生との接点は明らかではないが、この時期、夏目漱石が五高で英語を教えていて、森田先生と同郷で親友の寺田寅彦(物理学者・随筆家・俳人)は漱石のお気に入りの生徒だった。高知・土佐の「いごっそう」と熊本・肥後の「もっこす」はいずれも頑固者の性格傾向を言い、行動的で反骨精神があり、純粋で正義感が強く、弱者に優しいという共通点があるそうである。「いごっそう」も「もっこす」も神経質性格と重なる部分があって、それも森田先生の神経質学説に反映されている可能性がある。

 

  さらに岡本先生は社会教育の分野で活躍した五高出身者、田澤義鋪(よしはる)・下村湖月・永杉喜輔・水谷啓二の系譜についての研究結果をまとめられている。下村湖月は『次郎物語』の作者として知られている。水谷啓二さんは森田先生の教えを受けて自分の神経症が治っただけでなく、同じ悩みを持つ人たちを助けようと奮闘した人で、現在の「生活の発見会」のもとを作っている。まだ58歳で急逝されたのが惜しまれる。その遺志は脈々と受け継がれている。この本を読むと、森田先生から水谷啓二さんまで熊本という地が生み出した不思議な縁を感じずにはいられない。ちなみにこの本の裏表紙には熊本のゆるキャラ「くまモン」が描かれている。

2019年1月18日 (金)

神経質礼賛 1587.パンの耳

 わが家の朝食で定番の食パンは地元のパン屋さんの白神こだま酵母食パンである。素朴な味がする。子供が幼稚園の頃からずっと続いているから、もう20年以上になる。菓子パンも天然素材にこだわって作っているパン屋さんだ。最初の頃は妻が車で買いに行っていたが、いくつかのスーパーにも出すようになったので、今では本店には行かずに近くのスーパーで買っている。ただし、数はたくさん出さないので、遅い時刻に行くと売り切れてしまう。休日には私が買いに行くことになっている。


 この食パンは手作業でカットするためか、厚さがちょっと不均等のことがある。そして、「耳つき」というシールが張られたものもある。なるべく「耳つき」を買ってくれと言われているので、その日のパンが配達される昼過ぎを狙って買いにいくと大抵ゲットできる。この辺は神経質のなせる業である。


 パンの耳は大手メーカー製だと捨てられてしまう部分である。私が子供の頃は近所のパン屋さんへ行くと、パンの耳だけ袋に入れて安く売っていたものだ。しかし、御飯のおこげと同様、旨味が濃縮した部分と言えるかもしれない。好きな人はそのまま食べてもよいだろうし、ネット上にはパンの耳を利用した料理のレシピが紹介されている。捨てられてしまうものを生かす、おいしく食べる、というのは「物の性(しょう)を尽くす」(
350話)、森田療法の極意でもあると言えるだろう。

2019年1月14日 (月)

神経質礼賛 1586.環状LED管

 昨年の正月に妻の実家の台所照明の蛍光管とグローランプを新品に交換した。普通、環状の丸型蛍光管の照明だと同心円状に32W+30Wとか40W+32Wの組み合わせなのだが、これは40W丸型を2個横に並べた変わった構造になっている。そのうちの1個がまた点かなくなったということで、先日みたら、蛍光管もグローランプも問題ないのだが、グローランプのソケットの中のバネが緩んでいて、グローランプを手で押さえていないと点かなくなっていた。


 大きな照明器具なので、引っ掛けシーリングを利用して最近よく売られているLED(発光ダイオード)照明器具に交換するということができない。LED電球は普及しているし、直管型蛍光管と入れ替えられるLED管は家電量販店にある。しかし、丸型蛍光管と交換できる環状のLED管は販売されていない。やむなくネット通販で探し出して注文した。C国製のもので送料・手数料を含んで
3000円ほどだ。プラスチック製で、扇状に19個の白色LEDを並べたモジュールが6つ環状に並んでいる。


 昨日、妻の実家に行って、まず台所照明の蓋を外す。グローランプを外し(グローランプを付けたままだと点灯時に高圧がかかってLEDが壊れる可能性がある)、環状LED管を取り付ける。無事に点灯してほっとした。すると、妻が「仏間の蛍光灯も暗いから何とかならない?」と言い出す。見ると32W+30Wの蛍光管が古くてかなり黒くなっている。30W管は予備があったので取り換えたが、よく見ると、もう
1管40Wが取り付けられる構造になっているとわかった。つまり元々40W+32W+30W用の器具だったのだ。そこで、古い32W管を外してその外側に台所の照明から外した40W管を取り付ける。まだ1年しか使ってないので、黒ずみはなく、十分な明るさで使える。器具はホコリだらけだったので、掃除機できれいにする。義父から「悪いけど、トイレの前の蛍光灯も点かなくなっていてみてくれるかね?」と言われ、調べると、10Wの直管。ちょうど1本予備があったので、これも取り換える。神経質が大繁盛の日だった。

2019年1月13日 (日)

神経質礼賛 1585.黒マスク

 インフルエンザが流行する季節になってきた。予防のためにマスクを付けて歩いている人が増えている。そんな中、どうも気になるのが黒マスクである。ブラック国からの旅行者たちが付けているものとばかり思っていたが、それを真似して付ける日本人も出ているとか。威圧感があって気持ちが悪いという意見がある中、当人は注目されて恰好がいいと思っているのだろうか。


 子供向けにアニメキャラクターが印刷されたマスクはマスクを嫌がる子供には良いだろうし、形状を工夫して美顔効果を謳ったマスクは女性に良いだろう。そうした工夫は大いに結構である。淡い色のカラーマスクも悪くないだろう。しかし、真っ黒のマスクでは似合うのはスター・ウォーズに登場するダース・ベイダー氏くらいだろう。


 医療の世界では、古くから滅菌済みの手術着の色に合わせたブルーとかグリーンのマスクがある。手術着がそうした色をしているのは、長時間の手術で術者の眼の疲れを軽減するためと言われていて、マスクの色もそれに合わせるのは自然なことだ。また、最近は白衣に替わってスクラブと呼ばれる半袖でVネックのウエアが流行している。水色、濃紺、緑、ピンク、ベージュなど色とりどりのスクラブを身につけた看護師さんをよく見かける。医療現場はカラフルになってきた。しかし、いくら何でも黒衣や黒マスクはありえない。もしも医師や看護師さんたちが黒衣に黒マスクのブラックホスピタルがあったとしたら、いくら良い病院でも患者さんたちは引くだろうなあ、と妄想する。

2019年1月11日 (金)

神経質礼賛 1584.電車内のリュック

 

 通勤男性でリュックサックを背負っている人が年々増えている感がある。スーツにリュック姿も最初は違和感があったけれども、もはや見慣れたものになっている。荷物がたくさん入るし両手がフリーというのは使う本人には便利である。その反面、目の前にリュックがあると圧迫感があるし、リュックを背負った人が体を旋回させると隣接する人に当たってしまう。それでいて当てた本人は気が付かなかったりする。以前から混んだ電車内や駅通路でのキャリーバッグは迷惑だなあと思っていたが、リュック族が増殖してくると、それも困った存在に思えてくる。

 

 1月8日付の新聞記事に、「電車内の背負いリュック、酔っ払いより迷惑」と題するものがあった。日本民営鉄道協会がまとめた今年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」が発表され、「荷物の持ち方・置き方」がワースト1位となった。具体的にはリュックサック・ショルダーバックが66%を占めたという。ちなみに2位「騒々しい会話」、3位「座席の座り方」、4位「乗降時のマナー」までが30%以上の人が感じているところだそうだ。その後に5位「ヘッドホンからの音漏れ」、6位「スマートフォンなどのつかい方」が20%余りで続き、「酔っぱらった状態での乗車」は7位、「車内での化粧」は8位でそれぞれ約15%だった。


 スマホやヘッドホンで自分だけの世界に浸っている人が多いけれども電車内や駅は公共の場である。人に不快感を与えるのはよろしくない。自分がやられて嫌なことは極力しないように神経を使いたいものだ。

2019年1月 7日 (月)

神経質礼賛 1583.こいつぁ春から縁起が・・・

 私の勤務先は毎年大晦日と正月三が日が休み。4日から仕事である。いつもの通勤電車は勤め人の数は半分くらい。東京方面に戻る家族連れが目立つ。やはり7日から仕事という職場が多いのだろう。先月の30日が日曜だったから、今回は5連休。休みが続く間にいろいろな問題が起きていることが多いので、休み明けの出勤は戦々恐々である。まずはパソコンを開けて電子カルテを見てみると、やはり病棟からは発熱、吐血、不穏、外泊中の熱傷など、急ぎで患者さんの診察を求める連絡、事務員さんからはカルテ病名落ちをすぐ入れて下さいという連絡、患者さんの外診が決まったから紹介状を書いて下さいという連絡・・・。外来担当日でなかったのは救いだ。とにかく「火消」に動き回る。そのうち、ケースワーカーさんから他の病院からの転院依頼の話も回ってくる。慌ただしい一日が過ぎていく。


 この時期は日の出が一年で一番遅い時期であり、家を出る頃はまだ暗い。5日の朝、家を出る時、玄関の照明を消してから靴を履こうとして失敗。バランスを崩す。咄嗟に右手で縦の手すりをつかんだが、体全体が左にぐるっと旋回して顔面をドアに打ち付け、「目から火が出る」になってしまった。鼻血が出て、メガネの鼻パッドが曲がっている。手袋には血が付いている。あわてて部屋に戻り、テッシュペーパーを詰める。どうにか止血できて、マスクをして出かけ、いつもの電車に間に合う。全く、神経質が足りなかった。こいつぁ春から縁起が悪いわい、だけれども、大事にならなかったのはラッキーだったと考えよう。「こいつぁ春から縁起がいいわえ」と歌舞伎の中で名せりふを放つ主人公は悪事が露見して死に至る運命である。縁起はほどほどでよい。

2019年1月 4日 (金)

神経質礼賛 1582.背中を押す

 一昨日は高校同期の新年会があった。昨年に亡くなった人の話が出る。「あんなに丈夫な奴が・・・」「エー!一緒に飲んだばかりなのに」「バスケ部、もう4人死んでるぜ、次は俺の番かよ」などと声が上がる。人の命は全くわからないものだ。出欠の返信ハガキが回覧で回ってきてそれを見ると、近況にガン闘病中と書いている人もいる。こうして生きていられるだけで本当にありがたい、と痛感する。もっと今を大切にしなければ、と思う。


 テーブルの横の席は3年の時の同級生で、大手建設会社から公立大学工学部の教授に転身した人だった。「ウチの大学の生徒たちは地頭力は悪くないんだけどもう一息頑張ろうというところがないんだな。それがここに集まっている連中との違いなんだよな。俺はハラスメントと言われかねないけど、レポートは厳しく指導しているぜ」と言う。確かに進学校出身者だと、遊びたいのをガマンして試験勉強に打ち込んだ経験を多かれ少なかれ持っている。そうして壁を打ち破った経験は社会に出てからも役に立つことがある。教育者はもっと若者の背中を押してやるべきだ、と彼は言う。


 神経症の治療も同じような面がある。薬で症状を抑えるのはてっとり早いけれども、根本的な解決にはならない。辛いながらも行動していくうちに自然と健康的になっていく体験を踏むと、もしもまた同じような状態になっても自分の力で壁を乗り越えることができるのである。これが森田療法での治癒像である。森田正馬先生は、神経症の症状のために仕事や学業を放棄しないように指導しておられた。


 神経質の患者を治療するに當つては、患者に学校を休学させたり、休職・辞職をさせたりしては、決していけない。こゝで最も困る事は、一般の医者が、神経衰弱といへば、「今一年位、休学しても、元気を恢復して、将来大に勉強した方が得策だ」とか、「職業も大事だけれども、身体には代へられぬ」とかいって忠告する事である。実は患者は、休養のために一年三年と、益々悪くなるばかりで、決して其医者の予定通りに、治るものではない。(白揚社:森田正馬全集 第6巻 
p.183

 神経症ではその人の状態や能力を勘案した上で、背中を押してあげることも必要なことがある。

2019年1月 1日 (火)

神経質礼賛 1581.サイコロ

 小学生の頃は、正月には必ず伯父の家に遊びに行き、従兄弟たちと将棋や双六などのゲームをして過ごしたものだ。特に面白かったのが「バンカーズ」というモノポリーに似たゲームで、サイコロを振って、目が出た分進み、そこの指示に従う、というだけでなく、土地や家を買って儲けるというもので、結構アツくなったものだ。この御時勢、サイコロに触れることはほとんどなくなった。ちなみに子供の頃の定番だったお菓子・明治製菓のサイコロキャラメルもすでに製造中止となり、北海道で限定生産されているという。

 サイコロを振った時に、その目が出る確率はどれも6分の1だと、誰もが知っている。しかし、森田正馬先生は、あえて実験されている。


<蓋然数>

 或時正月の慰みに、賽コロを振つて、其目の出る度数を数へた事がある。総振り出し数、一千二百回の中、左の数が出た。

  一の目、二百二十六回(平均数より増、二十六)

  二の目、二百三回(・・・・・増、三)

  三の目、百七十四回(・・・・・減、二十六)

  四の目、百八十六回(・・・・・減、十四)

  五の目、二百十三回(・・・・・増、十三)

  六の目、百九十八回(・・・・・減、二)

 此蓋然数は、各二百回宛である筈であるのに、実際は其出入りが、二回から二十六回であつた。尚ほ賽コロは全く正しい方形をなせるものは少なくて、各賽コロに多くは多少の出癖のあるものである。此場合には一の目が最も出やすくて、三の目が最も出にくいのである。

 賭博の時に、其癖を知つて置けば、必ず最後の勝を得る筈である。(白揚社:森田正馬全集 第7巻 p.192


 実物のサイコロは、目を彫ってあるので、均質な立方体ではない。特に1の目は彫が大きいため、その分軽くなって、出やすくなっているのだろう。このように、一見当たり前と思うことにも疑問を持ち、科学的な眼で検証するところが森田先生らしい。

 三島森田病院には次のような色紙が保管されている。

「常に何かを食ひたいと思ふ人は健康な人であり、常に何かを知りたがり疑ひ考へ工夫する人は精神優秀なる人なり」


 本年もよろしくお願いします。

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

最近のトラックバック

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30