フォト
無料ブログはココログ

« 神経質礼賛 1607.発達障害グレーゾーン | トップページ | 神経質礼賛 1609.不人気のグレープフルーツ »

2019年3月22日 (金)

神経質礼賛 1608.ある日の精神保健相談(2)

 今週また精神保健相談(1529話)があった。日程はいつも年度ごとに保健所の担当者と予定をすり合わせて決めている。比較的時間があいている曜日の午後に予定を入れているのだが、今年度の途中から外来担当日が週1日から週2回半日ずつになって、外来日の午後に精神保健相談に出かけなくてはならなくなってしまった。しかも電子カルテ化で以前より外来には時間がかかる。来年度は曜日を変えてもらうことにしたが、もう決まっている今年度分はどうしようもない。朝、出勤してすぐに病棟の仕事を片付けておく。次の日が休診日なので、事務から回ってきた書類もできるだけ処理する。外来をしている間も病棟からは「患者さんの胸のレントゲンを見てください」とか「外泊を希望している人がいるので入力して下さい」、ケースワーカーさんからは「あさって新規入院の方の情報を見ておいて下さい」など次々と連絡が飛び込んでくる。分刻みの仕事でハラハラの連続である。まだ急がなくて良い書類作成だけは後日に回すことにしてどうにか仕事を終え、5分間で昼食を掻き込んで送りの車に飛び乗る。バタバタしていたら自分の机の上にスマホを充電したまま置き忘れてきたことに気付く。まあ、2日位なくてもいいや、とあきらめる。

 今回の相談は、不安神経症の人の奥さん、ひきこもりの人の御両親の2件だった。不安神経症の方は元来が非常に心配性で神経質。それでも、定年退職するまでは趣味もあって特に問題になるほどのことはなかった。神経質が生かせていたのだろう。ところが町内会の役をやらなくてはならない話が出たのが主なきっかけで不安、不眠、焦燥感に襲われるようになった。町内会の役は非常に強いストレス要因になる(894話)。メンタルクリニックで薬を処方されて軽快したが、今度は抗不安薬や睡眠薬を飲んでいると害があるのではないか、早く認知症になってしまうのではないか、と心配で仕方がない。結局、通院をやめた。それから何年かはまずまずだったが、再び町内会長の役の話が出てきて、さらには親の墓の処分問題も出てきて症状が再発したそうだ。家に引きこもって取越し苦労して「不安だ不安だ」と妻に訴える。見かねて本人を連れて以前のクリニックへ連れて行ったが、「先生から、どうですか?と聞かれると何も言えない。はい、いいえ、で答えられる質問だったらいいのに」「薬を飲んでかえっておかしくなったら困る」と文句を言う。奥さんまでそこのクリニックは大丈夫なのかと心配になってしまう。実は、まず「調子はどうですか?」「具合はいかがですか?」といった自由に答えられるオープン・エンデッド・クエスチョンから始めて、はい、いいえで答えられるクローズ・エンデッド・クエスチョンで細かいところを絞り込んでいくのは精神科医の常套手段であること、処方内容も安全で習慣性のない薬が少量だけ処方されていて良心的なクリニックだと考えられる、と説明すると少し安心されたようだった。奥さんの話は非常に長く、この日の相談は1件目だけで大幅に時間オーバーになってしまった。やはり、こういった内容だと、相談する場がなかなかないので、保健所の精神保健相談は存在意義がある。

« 神経質礼賛 1607.発達障害グレーゾーン | トップページ | 神経質礼賛 1609.不人気のグレープフルーツ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 神経質礼賛 1607.発達障害グレーゾーン | トップページ | 神経質礼賛 1609.不人気のグレープフルーツ »

最近のトラックバック

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31