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2019年3月18日 (月)

神経質礼賛 1607.発達障害グレーゾーン

 3月12日火曜日の毎日新聞夕刊の特集ワイドは、増える「発達障害」グレーゾーン、と題する記事で、「しんどさ続き、浮く存在に」「医師により判断バラバラ/環境に配慮した治療計画必要」という見出しが目についた。記事では、発達障害の傾向はあるが、そこまでではないグレーゾーンとして放置されてしまう人の問題を取り上げていた。


 当ブログでは開始まもない時期の
13話に注意欠陥多動性障害(ADHD)の話を、今から10年ちょっと前に337338話でアスペルガー障害の話を書いている。ここ10年の間にこうした発達障害は広く知られるようになった。「ADHDの治療薬」を製造販売する製薬会社が、巨費を投じて医師たちにプロモーションをかけ、一般にも周知すべく広告を流しているのが最大の要因であろう。私の勤務先の病院では新規受診希望の問い合わせに対しては発達障害の専門家はいないと答えているのであまりそうした方は来られないが、いろいろな医療機関を回って発達障害と言われたことがある、という方が受診されることはある。あるいは、仕事がうまくいかなくて休んでしまって受診した人から、ネットで自己診断したら発達障害らしい、などと言われることはある。


 しかしながら、発達障害的な特徴は誰もが多かれ少なかれ持っているものであるから、なかなか線引きは難しい。それに、「
ADHDの治療薬」と称するものも根本的な治療薬ではなく、対症療法に過ぎず、副作用もあるし必ず効果が出るとは限らないのである。そして発達障害的な特性はすべてがマイナスとは限らず、その特性を生かせば職業上プラスになることだってありうる。だから、やみくもに発達障害だとかそのグレーゾーンだとかのレッテルを張るだけでは意味がない。要はその人の特性を知り、それがうまく生かせる生活方法を提案してあげるのが本筋なのではなかろうか。


 森田正馬先生が「総ての人が神経質の素質を持つて居るといふ関係から、総ての身体病には必ず多少に拘らず神経質の徴候を加味して居る(神経質及神経衰弱症の療法第五章・森田正馬全集p.334-335)」と述べられたように、神経質もまた、誰もが多かれ少なかれ持っているスペクトラム的な性格特性である。現代では不安障害とされ、SSRIなどによる薬物療法が広く行われているが、森田療法のように、病気として扱わず、神経質を生かすよう訓練していくのがやはり本筋ではないだろうか。

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