神経質礼賛 1624.赤魚・シルバー
病院食のメニューを見ていると、聞き慣れない魚の名前が出てくる。一見、キンメダイのような魚の煮付け。高価なキンメダイが出るはずはなく、赤魚と書かれている。味はなかなかおいしい。この赤魚の正体はアコウダイでメヌケとも呼ばれる魚である。学名が「赤魚(アカウオ)」という魚とは全く別物とのことだ。水深500-700m位のところに生息し、水揚げされた際に水圧の変化で目が飛び出してしまうことからメヌケの名がある。かつては日本近海でも獲れたらしいが現在はほとんど獲れることがなく、アメリカやロシアから冷凍で輸入されてくるそうである。
また、シルバーという魚も時々登場する。切り身を焼いたものを食べるとブリのような感じがする。これは銀ヒラスという魚で、やはり水深500m位のところに生息し、オーストラリア・ニュージーランド・チリあたりから頭と内臓を除去して冷凍で輸入されてくる。フライにすると美味であり、知らないうちに外食や総菜で「白身魚フライ」として食べている人も多いという。クセが少ない魚だから、味噌漬けや西京漬けにも適しているそうだ。低カロリー、高タンパクであり、栄養面でも優れているらしい。
おなじみの鯵・鯖・鰯といった魚偏漢字の近海魚が獲れなくなって価格も高騰し、冷凍輸入の魚に頼らなければならないのは残念なことだが、やむをえない。栄養士さんたちは少しでも栄養価が高くておいしくて廉価な食材を日々研究しておられる。食べる側もいろいろ知った上でおいしくいただきたい。
« 神経質礼賛 1623.酸蝕歯(酸蝕症) | トップページ | 神経質礼賛 1625.イダオイル »
コメント