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2019年9月29日 (日)

神経質礼賛 1670.松下幸之助と妻むめの

 先週の水曜日、NHKの歴史ヒストリアは「夫婦で起こした家電革命 松下幸之助と妻むめの」という番組だった。番組の中では幸之助(211話)は病弱で神経質で癇癪持ちであり、奥さん・むめのさんの支えがあって大偉業を成し遂げることができた、というような話になっていた。むめのさんは幸之助が会社を辞めて起業すると言い出した時に反対しなかった。生活は苦しく夫に内緒で嫁入道具を質に入れたりして資金を工面していたが、明るく夫を励まし続け、会社が少しずつ大きくなっていくと従業員の世話もしていた。むめのさんあっての幸之助だったことは確かである。裸一貫から起業して成功し、やがて森田療法の世界的な普及に尽力された岡本常男さん(37268269871話)の妻・佳子さんもむめのさんとよく似ていると思う。どちらも、森田正馬先生が「神経質の人は、気の軽い大まかな人と結婚するがよい。すると気の軽い人は、あの人はどうせ気難し屋だからといって大目に許し、また神経質の方では、どうせあれには、難しい事をいってもわからないといって、あまりやかましくいわなくなる。お互いに許し合うから円満になる。(森田正馬全集 第5巻 p.729)」と言われたようなベストカップルだったのかもしれない。

 残念ながら番組の中では幸之助の神経質の良さについて触れていなかった。神経質ゆえ、お客さんのニーズを汲み取って創意工夫をこらし、次々とヒット商品を世に出すことができたはずである。大成功しても決して奢ることなく常に反省し続けた点、不況になっても従業員を解雇せずそれゆえ従業員たちも懸命に働いて乗り切ることができた点、私利私欲の追及でなく社会貢献に努めた点などは神経質ならではだ。松下幸之助の自伝『私の行き方考え方』(日本図書センター)は多分どこの公立図書館にも入っていると思うので一読をお勧めしたい。

2019年9月26日 (木)

神経質礼賛 1669.電話恐怖

 私は子供の頃から対人恐怖や強迫観念に悩んできた。対人恐怖の一部だと思われる電話恐怖もそうである。学生のうちはそれほど電話に出たり掛けたりは多くなかったが、会社員になって仕事中、頻繁に掛かってくる電話を受けるようになった。「ベルが2回鳴るまでのうちに出ろ」と厳しく言われていたから、仕方なしにとにかく掛かった電話を取りまくった。大抵は部長や課長宛ての電話だ。今から40年前のこと。保留ボタンを押して、「○○部長、経理部の△△課長からお電話です」と大声で告げなくてはならなかった。誰からかの電話かを聞き落したら大変だからとても緊張した。それに、相手から「△△です」と言われても役職がわからないとまずいので、よく掛かってくる人物はどんな役職にあるのか懸命に覚えようとした。職場の一角にデータ入力専門の女性(キーパンチャー)たちがいて、そこの女性宛てに通販会社から電話がかかってくることもあって、大声で呼ぶわけにもいかず困ったこともあった。そして、自分から掛けるのはさらに緊張した。社内のシステム開発のため、役員や部長や支店長クラスに電話で業務内容を聞いて確認しなくてはならないことが多かった。入社1,2年目の自分のような人間が偉い人に電話を掛けるのはプレッシャーが大きかった。しかも、そういった人は不在だったり電話中だったりすることが多い。折り返し電話をいただくのも失礼に当たるので何度も掛け直さなくてはならないのも苦手意識を高めた。それでも仕事であるから嫌でも何でも、電話を掛けまくったものだ。

 今でも、他の病院の医師に電話を掛ける時や患者さんの病状説明のために家族に電話しなければならない時は正直言ってとても緊張する。電話は相手の状態がわからないから、忙しい時で迷惑をかけはしまいかととても心配になる。しかし、やらなければならないことだから、とにかく電話番号を押す。後はどうにかなる。仕事が神経症を治してくれるのである。外来患者さんで電話恐怖だという人にお目にかかったことはないが、多分、対人恐怖の人では少なくないと思う。そういう人には、まさに「恐怖突入」(212話)が効果的である。

2019年9月22日 (日)

神経質礼賛 1668.消費税増税前

 ようやく真夏日や熱帯夜から解放され、秋風が心地よく感じられるようになってきた。ただし、春先とともに秋口はどうも調子が悪いということで受診される患者さんが増える。長い夏の疲れが溜まっていたのが噴き出すということもあるだろう。そうした中に個人経営者の人がいた。売上がジリジリ下がってきていて、いつも銀行からの借入金のことで頭が一杯で心配ばかりだという。そこにもってきて、10月から消費税がアップするが、今までと違い、10%税率の場合と8%の軽減税率があって、新しいレジを入れなければならないけれども、到底間に合わない、と嘆く。その上、政策上キャッシュレス決済を広めるために優遇ポイントを与えるような話もあって、個人商店は対応に四苦八苦である。通貨の信頼度が高い日本やドイツではまだ現金決済が多い。何もキャッシュレス決済率が極めて高いという隣国の真似をしなくたっていいのに、と思う。

 税率アップを前に、家電量販店や衣料品店や大型酒店のチラシは、税率が上がる前に買い替えや買い溜めを勧めるものが目につく。実際、冷蔵庫や洗濯機の買い替え売上は順調らしい。外来患者さんからは酒やたばこを多めに買い込んだという話も聞く。妻は化粧品を買い込んだようだ。しかし、あれもこれもと買い溜めするのは得策とは言えないだろう。日用雑貨品は置き場所を取るし、税率アップ後の安売りの時もあるだろうから、その時に買った方が得かもしれないからである。日用雑貨を買いに行ったのに税率が上がらない食品までつい買い過ぎてしまうということもありそうだ。1万円分買って、消費税の変化は200円である。慌ててあちこち車を走らせて買い込んだらガソリン代が高くつくのだから、神経質としてはそのあたりも考えて冷静に対処することである。

2019年9月20日 (金)

神経質礼賛 1667.森田療法セミナーの講師

 昨夜は森田療法セミナーの講師を依頼されていた。お題はリクエストにより「徳川家康と神経質」というテーマだ。参加者は森田療法を勉強している医師や看護師やカウンセラーさんたち。心配症なので、パワーポイントデータが入ったUSBメモリを3本用意した。

 会場は代々木の家庭クラブ会館でその近辺は全く不案内である。心配だから、まず開始の2時間以上前に場所を確認に行く。その後は新宿界隈の歩いて行ける立ち寄りスポットとして中村屋サロン美術館を選んだ。入口を見落としてかなり先まで行ってしまい、戻って見つけた。開館5周年記念ということで荻原守衛展だった。31歳の若さで亡くなった荻原の代表作「女」が展示されていたけれども、「文覚」に引き込まれた。文覚は北面の武士だったが同僚の妻に横恋慕して誤って殺してしまい出家する。平家物語では、源頼朝に父・義朝の髑髏を見せて平家討伐を促す怪僧として描かれている。かっと見開いた眼と葛藤を内在させた顔の表情が大迫力である。彫刻家として知られる荻原のデッサン・油彩画・水彩画・手紙類も展示されていて興味深かった。新宿の中村屋は荻原ら多くの芸術家たちを支援していて、その歴史も面白い。新宿の喧騒とは別世界で一時を過ごす。腹ごしらえをして再び会場へと向かう。

 パワーポイントの資料は、以前の出版記念講演会の時のものに手を加えている。まず、私自身を神経症の症例として自己紹介してしまおう、という算段である。後は師の大原健士郎教授の教えを紹介して、それから本題に入る。1時間前に会場に戻ると、まだ誰もいないので、電気を点けエアコンを入れる。最初に来られたのは精神科クリニックを開業している先生で、当ブログを読んで下さっているとのことだ。有難いことだ。だんだん人が集まってきて参加者は十人を超える。2時間のうち前半は私の話、後半は病院勤務の看護師さんによるパニック障害の患者さんの症例報告と意見交換会だった。ふと気がつけば終了予定時刻を過ぎている。帰り際に、やはり当ブログをお読みいただている方から、プレミアムベビーチーズのゴルゴンゾーラ入りを頂いた。プレミアムは私が行く店にはないのでうれしくなる。包装フィルムが金色なのがプレミアム感を出している。どうもありがとうございました。

2019年9月15日 (日)

神経質礼賛 1666.ハイドンの「告別」

 以前、398話に書いたオーストリアの作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)104曲にものぼる交響曲を作曲し、「交響曲の父」と呼ばれているが、そのうち何曲を聴いているか、と問われたら、恥ずかしいほど少ない。かつてハイドン作曲とされていた有名な「おもちゃの交響曲」はアマデウス・モーツァルトの父親であるレオポルト・モーツァルトの作曲だということになったが、さらに現在ではオーストリアの神父で作曲家のエトムント・アンゲラーの作品であるということに落ち着いている。

 ハイドンの交響曲の思い出というと、高校生の時に弦楽合奏部と吹奏楽部と合同でハイドンの交響曲第94番「驚愕」・・・いわゆる「びっくりシンフォニー」を演奏したこと位だろうか。わが弦楽合奏部は少人数で吹奏楽部は大人数だから音量がアンバランスでそれだけでも「びっくりシンフォニー」だった。当時の吹奏楽部のフルート奏者は、つい最近まで長く財務官としてTVニュースによく出ていたA君だったなあと思い出す。医大オケではベートーヴェン、モーツァルトの交響曲はよく演奏したが、ハイドンはトランペット協奏曲だけで交響曲は一曲も弾いていない。

 ハイドンは気配り上手の人で、穏やかな循環気質、メランコリー親和型と考えらるが、神経質と見て取れる面もある。彼は長年にわたり大貴族エステルハージ家に楽長として仕えた。その仕事は作曲ばかりでなくお抱え楽団維持に関する雑用が多く大変であったらしいが、ソツなくこなしている。家族と離れて生活する楽団員たちが休暇をもらえず不満がくすぶっていたのを察知したハイドンは主人の前で交響曲第45番「告別」を演奏した。第4楽章では、十二人の奏者が順々にロウソクを消して退場していき、ついにはヴァイオン二重奏になり、その二人もロウソクを消して退場して終わる。エステルハージ侯爵は、楽団員たちの思いを知って休暇を与えたということだ。一人、二人と消えていくのを見ても何も感じない・神経質が足りない雇い主では話にならないが。

 「ハイドン 告別 動画」で検索すれば、2009年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートから告別の第4楽章をYouTubeで見ることができる。8分ほどの曲で、その半分位から団員が立ち去り始める。指揮者のバレンボイムはおやおや、という表情で指揮の手を止めるが気を取り直してまた振り始める。大オーケストラの団員が次々と舞台から姿を消していくのだから聴衆から笑いが漏れる。最後に残った奏者の楽譜をのぞき込み頭をナデナデしてあげたりするのだが、その二人も姿を消し、無人となったオケを指揮しても音はなく、唖然とするバレンボイム。なかなかの役者ぶりである。

2019年9月12日 (木)

神経質礼賛 1665.サライ

 少なくとも年に1、2回は買う雑誌がある。小学館のサライである。新聞広告を見て興味を引く内容だと買いに行く。文学・美術関係や京都関係のものはよく買う。読みたいな、と思っても、書店に行きそびれて売り切れてしまうこともある。今、売られている10月号は「京都 日本の美の原点へ」というテーマだ。まず「庭の美の秘密」ということで、名庭園の掃除や手入れに関する記事があった。石庭の代表、龍安寺庭園の美しい砂紋は一体どうやって作り出すのかとても興味深い。朝6時から担当の副住職さんが2種類の熊手を使って1時間かけて手入れするのだそうだ。一度始めたら気になるところがあってもやり直しはきかない。そして、同じ砂紋は二度と作れない。大徳寺瑞峯院では、79歳の老師が鉄板の歯が付いた重い熊手で彫りの深い砂紋を引いているのだそうだ。50年間も続けておられるというから大偉業である。

 サライは平成元年に創刊され、ちょうど30周年なのだそうだ。出版不況で雑誌が次々と廃刊になる中、よく健闘している。どう見ても愛読者は中高年男性たちと思われる。今回はウェストポーチとして使えるバッグが付録として付いていた。色は臙脂がかった赤なので、私にはちょっと抵抗がある。私のバッグはどれも地味な黒か濃いモスグリーンである。そして、心配性の神経質ゆえ、ついついあれこれ詰め込んで重くなる。折り畳み傘、スマホ、MP3プレーヤー、筆記用具、三文判、買物用のエコバッグ二つ、財布を落とした時に備えての現金、サングラス、ティッシュペーパー、ウエットティッシュ、虫刺され用の軟膏、風邪薬・・・。もしも警官に職務質問されて荷物を調べられたら警官が呆れるのではないか、と妄想する。それに、どこへ行くにもあれこれ調べては欲張った計画を立てる。たまにはこの付録のような小さなバッグ一つで、ふらっと気ままな旅に出てみようか。

2019年9月 8日 (日)

神経質礼賛 1664.音楽の泉

 日曜日の今朝、いつものようにラジオをつける。8時過ぎからNHKラジオ第一放送で「音楽の泉」が始まる。子供の頃からずっと聴いてきた番組である。テーマ曲のシューベルト作曲「楽興の時第3番」は不変である。曲目解説があり、演奏者名もしっかり言ってくれるのがありがたい。この番組で聴いて初めて知った名曲がずいぶんある。今日は70周年記念番組だった。1949年9月11日に始まった超長寿番組であり、解説者は現在3代目の音楽学者・皆川達夫さんである。初代は作曲・作詞家の堀内敬三さん、2代目は音楽評論家の村田武雄さんだった。初回放送のプログラムから、ハイフェッツ演奏のサラサーテ作曲ツィゴネルワイゼンが流される。初期の放送は生放送であり、音源も片面5分程度のSPレコードの場合があったから、2台のプレーヤーを切り替えてかけるような苦労もあったらしい。70年ということは年50回として、3500回位放送されたことになる。ラジオの音楽番組はFM放送に移り、CDやネット配信のMP3さらにはネット動画から簡単に音楽が聴ける時代にはなったけれども、ぜひこれからもAM放送で続いて欲しい番組である。

 長続き、ということでは神経質のする行動も長続きである。森田正馬先生が「神経質は重い車」と言われたように、なかなか動き出さないが一旦動き出したら簡単には止まらない。まだブログというものがそれほど一般的ではなかった頃、手探り状態で始めた当ブログもいつの間にか14年目を走っている。月10話と決めているけれども、書きたいことがいくつもある時と正直言ってネタ切れで困ったなあというような時がある。それでも、森田療法の指導で使う言葉「見たところに仕事あり」ではないが、「見たところにブログネタあり」であって、何とか途切れずに続いているのである。

2019年9月 5日 (木)

神経質礼賛 1663.鎂(マグネシウム)

 昨夜、夕食を食べながら録りためたビデオを見ようと思ったら、妻がNHKの「ガッテン」を見たいというので付き合うことになった。「心疾患&糖尿病をダブルで予防!すごさ発見“あの栄養素”とは!?」というお題。いかにも健康番組好きの奥様方が飛びつきそうな話である。
  マグネシウムという漢字「鎂」(金偏に美)があるとは初めて知った。マグネシウムは体重60kgのヒトが約30g持っている重要な成分だ。骨や歯の材料であるとともに、体内酵素の活性化作用がある。最近の疫学調査により、マグネシウムを多く含んだ食品を摂っている人では、心疾患発症リスクが3割減ったとか糖尿病の発症率が4割減ったというような発表が出ているという。とはいえ、薬の治験のように純粋にマグネシウム投与群と非投与群を二重盲検法で比較したデータではないので、マグネシウムだけの効果だとは言い切れないのではないだろうか。マグネシウムを多く含む食品は、豆腐や納豆などの大豆製品、海藻、魚介類、ほうれん草、玄米など、和食の食材たちであり、これまでも健康に良いとされてきているものばかりであるから、マグネシウム以外の成分が病気の予防に関与していることも十分に考えられる。現代の若い人では和食を食べなくなっているためマグネシウムが不足していて、さらにストレスが加わるとマグネシウムは尿から排出されやすくなってますます不足しがちになる。マグネシウム不足が2型糖尿病の一因になることは言われている。だからマグネシウムをもっと摂りましょう、という番組の主張はまあわかるが、安易にサプリや緩下剤(酸化マグネシウム)で摂るのは問題である。最近は、常用性がない安全な下剤として酸化マグネシウムのTV-CMが流れているが、639話「マグネシウムの摂り過ぎは危険」に書いたように、緩下剤の酸化マグネシウムを常用していてマグネシウム中毒に陥り死亡した例が報告されている。また、「にがり健康法」でにがりを多量に飲んでマグネシウム中毒のために死亡した事例もある。何でもほどほどが大切なのである。こういう健康番組に早合点してはいけない。

2019年9月 2日 (月)

神経質礼賛 1662.言おうか言うまいか

 私の中学時代の通信簿にはいつも「発表が少ない」と書かれていた。国立大学の附属中だったためか、教師はあまり発言せず生徒たちに長時間討論させて授業していくというスタイルが多かったから、私は出来の悪い生徒だと思われていた。人前で発表するのは緊張しやすいから避けていたという面もあったろうけれども、教科書に書いてあるようなことをあたかも自分が考えたかのように発表するのはわざとらしくて嫌だという気持ちが強かったからである。そして、自分なりに良い考えが浮かんだ時にも、これは言いたいけれどもこんなことを言ったらどう思われるだろうかと深読みして、言おうかどうしようか迷っているうちに発言する機会を逸してしまうこともあった。形外会の記録を読んでいると、私と同様、言おうか言うまいかためらっているうちに言うべき機会を失してしまう、という人の発言があり、それに対して森田先生は次のように言っておられる。

 いおうか・いうまいかと迷う事についても、種々の度合がある。気の軽い人は、いいたい事があれば、心のなんの拮抗作用もなくて、そのままベラベラしゃべってしまう。にぎやかでよいけれども、むだ言が多くて、うるさくてしかたがない。

 意志薄弱性のものは、恥ずかしくて自分でいわない事に決めているから、心に少しも葛藤はなく気楽である。

 神経質は、いいたくてたまらないで、しかも大事をとるから、心の葛藤が非常に強い。これが一歩間違えれば、いおうか・いうまいかの・ただ二道の・堂々めぐりの迷いになるが、これが一転して、よく場合を考え、適切な文句を工夫するという風になれば、上等になる。

 ともかくも心の葛藤の大きいほど偉い人です。そして確かな思想があって、しかもペラペラしゃべらないでいる時に、「沈黙は大なる雄弁なり」という事にもなる。しかし、単になんの思想もなくて平気で黙っている場合、それが立派な堂々としたかっぷくの男である時に、「沈黙の雄弁」と間違えられる事がある。 (白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.744

  まさに自分の心の中をピタリと言い当てられた感がする。実は今でも、言おうか言うまいか迷って機会を逃すことはある。特に学会のように改まった場ではそうだ。半世紀経ってもあまり進歩していないなあ、と反省する。

2019年9月 1日 (日)

神経質礼賛 1661.ベビーチーズ(2)

 9月に入っても、相変わらず真夏日が続いている。ただし、空を見上げると、うろこ雲(巻積雲)を目にするようになった。ちょっと大きめの羊雲(高積雲)にも出会うことがある。昔からこうした雲は雨の前兆とも言われている。「うろこ雲が出たら3日のうちに雨」とか「羊雲が出ると翌日は雨」という言葉もあるらしい。これらの雲は低気圧や前線が近づいている時にできやすく、理にかなっている。鋭い観察眼を持った昔の名もなき神経質さんたちが気付いた経験則なのだろう。

 冷蔵庫にストックしてあるベビーチーズ(1603話)が残り少なくなってきた。スーパーに行った時に売場に行ってみると、見たことのない種類が置いてある。包装フィルムに「期間限定 ビールに合うベビーチーズ」と書かれた「ゆず胡椒入り」と「燻製ベーコン入り」の2種類だ。迷わず買う。ビールのお供ではなく、朝食でパンと一緒に食べてみる。「ゆず胡椒入り」は胡椒の辛味がとても強く感じられ、ゆずの味はどうも弱い。もう少しゆずの味と香りがあるとよいのだが残念だ。一方、「燻製ベーコン入り」は香ばしいベーコンの味がしっかりしてくる。これはホームランである。期間限定と言わず、ぜひ定番商品にしてほしい逸品だ。品切れになる前にもう一度買っておこう。

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