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2019年10月 3日 (木)

神経質礼賛 1671.名前の確認

 今月になって、今まで主に担当していた病棟から離れて、他の病棟の全患者さんの主治医になった。長年、御家族と面談していろいろと相談に乗っていたケースもあって、何の挨拶もなく途切れてしまったのが気になるが、こういうやり方がスタンダードだ、と言われてしまうと何とも仕方がない。新しく担当なった大部分の患者さんとは一度も話をしたことがなく、顔を見てもお名前がわからない。一昨日、最初の診察の際、次々と診察室に入ってくる方の名前がわからず、「すみません。お名前を教えて下さい」を繰り返す。この人は確か○○さんだったよなあと思い、「○○さんですね」と聞いたら、「違います。△△です」と答えた人がいた。△△という入院患者さんはいない。変だなあ、間違いないはずだが・・・実はこの人は芸能人の△△の家族であるという妄想があるのだった。私は元来、人の名前を覚えるのが苦手であり、加齢により記憶力が落ちてきているので、名前の確認は当分続くことになりそうだ。そして、これまでの経過を知るために電子カルテとにらめっこする日々が続くだろう。

 患者さんの取り違えによる医療事故は後を絶たない。他の患者さんに手術をしてしまったというような信じられないミスもたまに起こる。最近では電子カルテが普及して、別の患者さんに記載してオーダー入力してしまうようなミスも問題になっている。特に患者数の多い大病院では同姓同名や似た名前の患者さんの取り違えが起きやすい。私自身が通院している市立病院内科では診察やCT・レントゲン撮影の際に必ず「お名前をフルネームで言って下さい」と言われる。以前入院したことがある県立総合病院では一日に何度も看護師さんから「名前と生年月日を言って下さい」と言われて少々うんざりしたが、事故防止のためにはこうした確認は欠かせない。多分、大丈夫だろう、と油断していると事故が起きやすい。この点に関しては少々強迫的であった方が良い。

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コメント

四分休符先生、お仕事柄大変な様子がうかがわれます。

たまには森田や鈴木知準先生の事から離れてコメントさせて頂きたくて。
私は64才になろうとしています。あちこちガタが来ています。年に一度の検診は欠かせません。問診であろうと検査であろうと自分から名前を言うクセがついてしまっています。名前を名乗ってから先生へのご挨拶、よろしくお願いします、と言うのです。

だいぶ前の事になります。病棟に勤務していた事がありました。モンスターペアレント達に総スカンくって病院側代表の一人として気まずい思いをした事がありました。
私は今、一人の患者として医師にとって扱いやすい?と言ってはナンですが、できれば医師に協力的な患者でありたいと思っていつも病院やクリニックを尋ねているのです。

先生にもお大事になさって下さいませ。返信は要りません。感想です。

yukimiya 様

 コメントいただきありがとうございます。

 50、60・・・と代が上がるにつれ不具合箇所が増え、持病が増えてきます。ドリフの志村けんさんの老神様のコント「歳はとりたくねーなー。ションベンは近くなるしヨ・・・」を体感しているこの頃です。病、老、苦、そして死、どうにも仕方がありません。しかし、そんな中でも「生の欲望」に沿って生き尽くすことを説く森田療法そして森田正馬先生御自身の生き様は、単なる神経症の治療法に留まらず、生きる指針を明示してくれる有難いものだと思っています。
 お心遣い、感謝いたします。

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