神経質礼賛 1699.チョコレート餃子
昨日は森田療法の茶話会があった。退院が近い患者さんが体験発表をして、それに対して医師がコメントする。その際にお菓子を作って出す習わしがある。今回、調理担当になったのは50代男性会社員の方で、普段料理はしないので、何を作ろうかと頭を抱えておられた。電話で奥さんと相談して、卵焼きとチョコレート餃子を作ることになった。卵焼きというのはその人が唯一できる料理なのだそうだ。細ネギを刻んだものとチーズが入っている。チョコレート餃子は奥さんの発案で、ネットでレシピを見て、簡単にできそうだということで選んだ。チョコレートとクリームチーズを餃子の皮で包み、バターを引いたフライパンで焼くものだ。餃子の皮を使っていながら洋風のスイーツである。病棟ではフライパンは使えないのでホットプレートを使う。神経質で心配性の人だから、病棟でリハーサルをしたり、外泊で家に帰った時に練習したりして本番に備えていた。チョコレートやクリームチーズの量がポイント。後は温かいうちがおいしいので、茶話会開始時刻直前に出すように工夫されていた。本番では、卵焼きには南天の葉が添えられて彩もよく、とても美味しかった。また、チョコレート餃子はチョコレートとクリームチーズの量がほどよく、それほど甘くなくてよかった。餃子の下には画用紙を切り抜いて作ったいろいろな動物が敷かれていて面白かった。お客さんを楽しませようという気配りである。このように、人を楽しませようというサービス精神が行動に表れてくれば神経症も自然と治っていく。
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