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2020年2月 2日 (日)

神経質礼賛 1711.弓の毛替え

 ヴァイオリンの「消耗品」には弦と弓の毛がある。弦の方は一番高い音を出すスチール製の細い弦(E線)はすぐ錆びてくるのでよく交換している。低い音を出す太い弦3本(A・D・G線)は羊腸を芯にしたガット弦を使っていた。温度や湿度変化に敏感だし交換してすぐに切れてしまい高価であるからガッカリすることもあった。現在はナイロンを芯にした弦にしているので丈夫で長持ちする。それでもプロは3カ月に1回は交換するそうだ。たまに弾くだけではもったいないから切れた時に交換になってしまっている。弓の毛は今でも馬の尻尾の毛が使われていて160本から180本程度の毛が張られている。経年劣化していくし、切れて減っていく分もあるので、プロは頻繁に毛替えをするし、アマチュアでも年に1回位は交換してもらった方が良い。医大オーケストラにいた時は定期演奏会の少し前に毛替えしてもらっていた。静岡のような地方都市では弦楽器専門店がなく、毛替えは苦労する。東京や名古屋の弦楽器店に持ち込むか、年2回位出張修理に来るのを見計らって予約しておいて毛替えしてもらう必要があった。ここ十年ほどは忙しくて毛替えに出す機会がなかった。

 たまたま三島保健センターの精神保健相談に行く途中、三島に弦楽器専門店ができたことを知った。その後、店は移転して三島二日町駅からほど近く三島南高校の南側にある。県内唯一、楽器職人さんが常駐している弦楽器店だ。昨日仕事帰りに行って、ヴァイオリン弓2本とヴィオラ弓1本の毛替えを依頼した。毛の質によって値段が異なる。モンゴル産普及品5千円・高級品6千円、カナダ産無漂白高級品8千円、イタリア産最高級無漂白1万円といった具合である。カナダ産を選ぶ。太い毛と細い毛が選択でき、「どちらにしますか」と聞かれた。私はソフトな音を好むので細い毛を選択した。ヴィオラの弓は皮を巻いてある部分が傷んでいるのでそれも交換してもらうことにした。牛・ヤギ・カンガルー、トカゲの皮があり、柔らか過ぎないヤギの皮で注文した。一週間後に取りに行き、さらに予備のヴァイオリン弓2本を毛替えに出す予定だ。

 店の名のイタリア語Risicare「リジカーレ」は英語riskの語源であり、勇気を持って試みる、という意味があるようだ。その街の文化度が高くなければ弦楽器専門店は存在できない。地方都市にこのような店を出すのはまさにそうした心意気での挑戦だったと思う。ぜひ、繁盛して長く続いて欲しい。それとともに、慎重になり過ぎてしまいがちな私たち神経質人間も必要とあればビクビクハラハラのまま挑戦していかなくては、と思う。

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