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2020年2月16日 (日)

神経質礼賛 1716.不思議の国のアリス展

 先週は、毛替えに出した3本の弓を回収して、さらに2本の予備のヴァイオリン弓を毛替えに出した。毛の材質が良いのと職人さんの腕がいいためか、とても弾きやすくなった。昨日、仕事帰りに毛替え済みの予備弓2本を取りに行き、さらに静岡市立美術館に寄った。現在、不思議の国のアリス展が開催されている。

 展示は作者自身の挿絵による『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の初版本で始まっていた。その後、ジョン・テニエルによる挿絵さらに著作権切れ以降のアーサー・ラッカムらによる挿絵がストーリーの流れに沿って展示されていた。私が『不思議の国のアリス』を読んだのは、多分、幼稚園の頃に叔母からもらったディズニー絵本だったと思う。もうストーリーは覚えていないが、忙しく動き回るウサギとトランプの国は印象に残っていた。飲み物を飲んだりケーキを食べたりするごとに体が大きくなったり小さくなったりするというアイディアは手塚治虫の漫画「ビッグX」の元になったのではないか、とふと思った。精神医学の世界では「不思議の国のアリス症候群」という病名がある。自分の身体(あるいは周囲の事物)が大きくなったり小さくなったりするように感じるというものだ。もっとも、実際にそういう人に出会ったことはない。会場には物語の場面を模した展示があり、その前で写真を撮れるようになっていた。『不思議の国のアリス』は世界中の多くの子供たちに愛されたばかりでなく、ヴィクトリア女王も愛読者だったという。そして芸術家たちにも大きな影響を与えた。展示の最後の方にはマリー・ローランサンによる挿絵、サルヴァトール・ダリによる挿絵もあり、幻想的な美しさに見とれてしまった。

 作者のルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソンあるいはドジソン1832-1898)の本業はオックスフォード大学クライスト・チャーチ校の数学教師だった。学寮長ヘンリー・リデルの3人の娘たちとピクニックに行った際、彼女たちに話した物語を3人のうちのアリス・リデルから本にしてほしいとせがまれてこの本が誕生することになった。彼については、アリスだけでなく多くの少女たちの写真を撮影しヌード写真もあったことから小児性愛者ではないかと見る向きもあった。しかし当時の感覚としては聖職者でもある教師が成人女性の写真を撮ることの方がスキャンダラスだったそうで、現在では否定されている。彼には吃音という大きな悩みがあったが、それでも歌や物真似が上手であり、さらには優れた写真の能力を生かして同時代の作家や画家などの多くの文化人たちと交流していたという。やはり自分の欠点を悩んでばかりいてもどうにもならない。それよりも長所を伸ばし、それを生かして自己実現を図っていくことが大切なのである。

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