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2020年3月 1日 (日)

神経質礼賛 1721.ヴィオラ三昧

 NHK-FMでは祝日に「今日は一日〇〇三昧」という特集番組を放送している。先週の月曜日、天皇誕生日の振替休日、新聞のラジオ番組欄を見たら午後から「今日は一日ビオラ三昧」という番組が入っていて驚いた。地味で目立たないヴィオラが主役の6時間半番組というのはすごい。新天皇陛下がヴィオラ弾きであることに敬意を払ってのことだろうか。あいにく世間の3連休と反対に私は3泊4日当直勤務だったので、病棟からコールがあって出向く時が何度かあって、全部は聞けなかったが、実に面白い番組だった。

 ゲストは東京フィル首席ヴィオラ奏者の須田祥子さん、慶応大学教授で音楽評論家でもある片山杜秀さん、そしてアナウンサーの武内陶子さんという顔ぶれだった。須田さんによれば、ヴィオラ弾きは「常識が服を着て歩いている」と言われるのだそうだ。気配り上手で人と争わず、脇役に徹してじっと待つことのできる人といったイメージである。まるで陶冶された神経質性格のようだ。アマオケでは「嫁さんもらうならヴィオラ弾き」という話もチラホラ聞く。しかし、須田さんは強烈なヴィオラ愛に溢れた人で、「打倒ヴァイオリン、打倒チェロ」のスローガンを掲げて、テンポよく楽しいトークを披露しておられた。時代を追ってヴィオラが活躍する名曲の紹介、名ヴィオラ奏者の演奏を紹介していくとともに、須田さんがオーケストラ曲のヴィオラパートを弾いて、何の曲か当てるクイズもあった。クイズではベートーヴェン交響曲第5番「運命」の第4楽章冒頭の強烈な「キザミ」、ブラームスのハンガリー舞曲第5番では「後打ち」や「合いの手」、スメタナの「モルダウ」では「うねり」の表現が出題され、いずれもヴィオラが隠れた大役を果たしていることに改めて気づかされた。さらに世界的なヴィオラ奏者今井信子さんのインタヴューと演奏、そして、最後は須田さん率いるヴィオラ奏者だけのグループ「SDA48」によるヘビメタ演奏とバッハのブランデンブルク協奏曲第6番の演奏だった。

 ヴァイオリンに比べて数が少ないヴィオラ曲の楽譜は私もいろいろ集めていて、パソコンに入力して伴奏音源を作ってそれに合わせて弾いているけれども、今回の放送で今まで知らなかった名曲と出会うことができてうれしかった。ヴィオラ曲の「エレジー」というとヴュータン作曲のものが有名であるが、グラズノフ作曲のエレジーが紹介されていた。なかなか美しい曲である。さらに、ヴュータン作曲のカプリッチョという無伴奏ヴィオラの曲もいい曲だった。この曲の楽譜はネット上の楽譜図書館のペトルッチライブラリーで見ることができる。楽譜は2ページと短い。当直勤務が終わって帰宅して家の用を済ませてからヴィオラを引っ張り出して最初のところを弾いてみる。練習すればいけそうだ。私のヴィオラ三昧はこれからである。

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コメント

ハイ!四分休符先生、聴いていました。

と言っても日々なんとなくせわしなくしているので切れ切れでしたが。

FM-NHKの休日特別番組のクラシックは楽しみにしています。

見事ヴィオラで6時間近くいきましたね。今井信子氏のインタヴューだけはしっかり聴く時間がとれました。

とても貴重な番組でした。

yukimiya様

 yukimiya様も番組をお聴きになっておられたのですね。楽しく充実した内容だったと思います。ヴィオラという楽器のすばらしさを伝えてくれる番組でした。

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