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2020年4月12日 (日)

神経質礼賛 1735.アマビエ

 毎日新聞朝刊の4コマ漫画「桜田です」(いしかわじゅん)に無言で家の中に現れるキャラクターが登場するようになった。人魚のような姿で桜田家の一員であるかのように溶け込んで食べ物を食べてしまい数が足りなくなったりする。一体何だろうと思っていたら、厚労省の「知らないうちに拡めちゃうから STOP!感染拡大」という新型コロナ対策のキャラクターに登用されたアマビエだと知った。

 甘エビ?雨冷え?アマビエとは聞き慣れない名である。江戸時代に目撃されたという妖怪で、海中から半人半漁の姿で現れ、豊作や疫病を予言すると伝えられる。疫病を退散させる力もあるとも言われ、その力を買われて厚労省から抜擢されたのだろう。

 「知らないうちに拡めちゃうから」はまさにその通りだ。そして「知らないうちに伝染っちゃうから」でもある。感染源不明のケースが多くなり、すでに市中感染症化している。当初は、感染しても大部分は軽症で済む、若くて元気な人はそう心配することはない、という楽観的な見方が政府によって喧伝された。これが人々の正常性バイアス(450話)を増強し、感染拡大を招いてしまったのだ。この期に及んでも「自分は大丈夫」と過信して夜の街で遊んで感染し、家族や仕事の関係者に拡めてしまうケースが後を絶たない。本当の新型コロナ対策はアマビエさんに頼るのではなく、神経質を発揮することだ。自分もいつ感染するかわからない、そして重症化して死ぬ可能性もある、と認識し、そうならないように用心して行動していくことを皆が実行していけば、やがては収束して被害を最小限に食い止められるのである。

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コメント

四分休符先生

 先生が、この投稿を書かれたのは4月12日。この時点ではまだ「緊急事態」がピンときていませんでした。「アマビエ」についても知りませんでした。

 そして、今、約一ヶ月が経とうとしているこの今こそ「アマビエ」が解ってきました。思うにヒトというもの、進化しているようで案外見えないもの、存在に対して本当に無力なのだと感じています。古代のヒトが解らない自然現象に畏怖したように、現代のヒトも見えないウィルスに対して、研究が急がれてはいますが、民間人は「アマビエ」信仰?畏怖しているのですね。

 謙虚で冷静な姿勢が問われると思います。ヒトは常に謙虚な精神を持って生きていくべきなのでしょう。謙虚さを忘れた人類にウィルスが浸食してきた、としか思いようがありません。傲慢さを戒めるように。

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