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2020年6月25日 (木)

神経質礼賛 1759.駅前の二宮金次郎

 掛川に通勤を始めて3カ月近くなる。駅北口前バス停・タクシー乗場の近くに二宮金次郎像が立っていることに今頃になって気が付いた。薪を背負い書を手に歩く金次郎像は小学校に立っていることはあるが、駅前というのは見たことがない。しかも、掛川市のゆるキャラはなぜか「茶のみやきんじろう」であり、緑色の着物をまとい掛川茶を背負っている。そもそも、相模国、現在の小田原市に生まれた金次郎と掛川とは関係はないはずだが、と気になる。

 やはり二宮尊徳(金次郎)自身と掛川との直接のつながりはないようだ。尊徳の弟子で掛川出身の岡田佐平治・良一郎親子が尊徳の報徳思想を広めようと遠州報徳社(のちに大日本報徳社)を設立するなど尽力したという縁がある。岡田良一郎は実業家、政治家として活躍し、掛川信用金庫を創立し、掛川市の発展に大きく寄与した人物であるから、金次郎像が駅前にあるのは理解できる。金次郎というと、質素倹約、戦前の道徳教育というイメージから敬遠されるむきもあるかもしれないが、創意工夫をこらしてきびしい状況を次々と乗り切っていき、多くの人々を救済した人物であることは確かである。新型コロナや財政難など困難な状況に追い込まれている現代社会で再評価されてもいいのではないだろうか。特に私利私欲の塊の政治家センセイたちには金次郎の思想を勉強していただく必要がありそうだ。

 金次郎が歩きながら読んでいたのは四書(論語、大学、中庸、孟子)の「大学」だったと言われている。そうした書は明治時代になっても知識人たちに読まれていて森田正馬先生も学生時代に読んでおられたはずである。森田先生の色紙に「己の性(しょう)を尽くし 人の性を尽くし 物の性を尽くす」(350話)というものがあり、これは四書の「中庸」の中にある言葉だそうである。森田療法の本質を示す言葉でもあると私は考えている。物を大切に使い、その価値が最大限に生きるようにしていく。森田先生自身のエコ生活は「物の性を尽くす」そのものだった。行動本位は「己の性を尽くす」につながる。そして、人が便利なように尻軽く行動していき、周囲の人たちが力を発揮できるようにしていく「人の性を尽くす」までいけば森田上級者、さらには陶冶された、完成した神経質のレベルとなっていくのである。

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