神経質礼賛 1755.ヨイショ癖
3月に母親が退院してくる際、介護サービスを利用していこうということになった。食べることは私が週2回食材を買ってくれば何とか自分でする。1階の台所に近い所にベッドを入れたのでワンルーム同然で動線は極めて短くしてある。足の調子が悪くてゴミ出しが難しい時には前日に私が取りに行って、うちのゴミと一緒に出す。私の新しい勤務先では勤務日数や当直回数を減らしてもらったので、何とかできるのだ。ただし入浴はどうにもならない。週1回、入浴付のデイサービス利用の話を進めたが本人の強い拒否にあい、週1回、家での入浴に訪問介護に来てもらうことになった。それでも、母の抵抗は強く、「今日は調子が悪いから」と電話で勝手に断ってしまう。最初に来てもらった時には「自分でできますから結構です。どうぞお帰り下さい」と言い放ったので、何とか顔をタオルで拭いて、バケツに入れた湯で足を洗ってもらうにとどまった。2回目は洗面所で洗髪のみ。3回目でやっと入浴できた。
介護士の方は40代くらいの女性で、母を上手になだめすかして下さる。我の強い母なのでいつも申し訳ないと思っている。本当によく気を配って下さってありがたい。一つだけ気になるのは、ヨイショの口癖だ。重い物を持つような時のヨイショはわかるが、小さな帳面をカバンから出す時やボールペンをノックする時にもヨイショが出るのである。
もっとも最近は私もはっきり声には出さないが、ヨイショが増えている。人のことは言えない。前の勤務先では1階から2階へ上がる階段は24段で比較的ゆるやかだった。今の勤務先の階段は18段でちょっと急な感じがする。思わずヨイショ、ヨイショと心の中で唱えている自分がある。ヨイショ、ヨイショでも一歩ずつ前に進んでいればそれでよいではないか、と開き直ることにしよう。
ヨイショの語源は何だろうか。神経質ゆえ気になるがよくわからない。外国ではどう言うのだろうか。あの「ヴォルガの舟歌」(1437話)の日本語歌詞は「えいこーら」となっているけれども元のロシア語では「エイウッフネェム」という発音なのだそうだ。戦国時代の合戦の際の鬨(とき)の声「エイ、エイ、オー」は母音だけで言いやすいから外国でも掛け声として使っている所もあるかも知れない。
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