神経質礼賛 1783.百円バスに乗って
掛川には自主運行バスがあって、駅から市役所などの公共施設や病院を巡回して走っている。南周りルートと北回りルートがあって、どちらも運賃は百円で1時間に1本出ている。自主運行バスとは言っても、TV番組「ローカル路線バス乗り継ぎ旅」に出てくるハイエースのようなコミュニティーバスではなく、普通の路線バスと見かけは変わらない。この北回りバスは勤務先の病院の構内に入って来る。バス停の名前は病院名ではなく併設の老人施設の名前になっている。
たまに午前の外来診察を終えてこのバスに乗って駅に向かうことがある。一緒に乗る患者さんもいる。次のスーパー前のバス停では、外来診察でお会いした患者さんが乗り込む。病院の後で買い物をして帰宅するのだろうか。バスは駅とは反対の北に向かって走っていく。そして東に向きを変え、郊外住宅街の中を走っていき、掛川北病院の構内に入る。このあたりは街路樹のサルスベリ(百日紅)のピンクの花が鮮やかである。今度は向きを南に変える。道路の両側には大きな池があって、ちょっとした旅気分である。バスはさらに大回りして掛川城大手門を通って掛川駅に着く。
とは言っても、これからがまた一仕事である。県の精神医療審査会の委員になっているため、静岡の総合庁舎へ行って、県内の精神科病院から提出される書類の審査や入院患者さんからの退院請求の審査に当たらなくてはならない。旅気分は終わりである。電車で移動して静岡駅から路線バスに乗る時には今日2回目の出勤の顔になっている。「心は万境に随(したが)って転ず」(300話・1635話)である。
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